bizSPA!フレッシュ

コロナで増加。Zoomハラスメント「ズムハラ」被害の実態と対策

ビジネス

スマホで証拠を押さえるのもアリ

スマホ 録音

 この事例では男性から女性のセクハラだったが、もちろん女性から男性へのセクハラ、同性同士のセクハラなど、多くの可能性が考えられる。しかし、はからずもオンライン会議の普及によって「録画」が当たり前になり、セクハラの証拠を押さえることもグッと簡単になった。

「オンライン会議中に録画することが浸透し、証拠が残ることで『言った、言わない』の論争が以前よりも起きにくい状況になっています。ただし、いまだに録画に抵抗感を持つ人もいるので、その場合『議事録作成のため』と建前をつくり、うまくカモフラージュしましょう」

 ちなみに、それでも録画に反対してくる場合や、明らかにセクハラと感じたときは、ツールの機能に頼らず手元にあるスマホの機能で録音や録画するのもおすすめだという。身を守るためには気づかれないようにうまく証拠を押さえることが重要なのだ

ITの問題から発生するハラスメントも

 オンライン会議特有のものとして、通信環境や、ツールをうまく使いこなせないことに起因するハラスメントもある。

「マンションの住人全員がリモートワークをしていて、日中はWi-Fiが混雑して通信品質が悪くなるケースがありました。この際、なかなか回線が安定しない部下に対して『お前と同じで回線も仕事が遅いな』『仕事に臨む姿勢が不真面目だ』などと罵倒した事例があります」

 こんなことまでハラスメント? と思うなかれ。回線の問題を含め、オンライン会議にはトラブルがつきものだが、それを人格攻撃の材料にするのはおかしい。「寛容」こそが大切だと、藤山さんは言う。

「ITに関しては上司より部下のほうが詳しいパターンも多いので、“部下から上司へのハラスメント”も発生します。例えば、なかなかツールを使いこなせない上司にキレた部下が『こんなものも使えないのか、バカかよ(笑)』と陰口を内々のチャット上で書き込んだところ、それが上司の目に入ってしまい問題になる事例もありましたね」

おすすめ記事