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大黒屋の社長は元GSの超エリートだった。華僑に学んだ“お金の修羅場”

ビジネス

ネットの知識だけでは勝てない

大黒屋

 グローバルビジネスの経験や30年以上も上場企業の社長を務めてきた小川社長は、若いうちにやっておくべきことを「若いときに修羅場を経験し、乗り越えていく必要がある」とした上で、こう説明した。

「日本以外に海外にも目を向け、視座を高く持つことを心がけたほうがいいでしょう。今やネットで何でも情報は手に入る時代。SNSで世界中の人とも繋がれる。いろいろなことに挑戦しようと考えたとき、教科書的にやろうと思えばいくらでもできますが、いざ始めてみると予想もしない困難が待ち受けているもの。

 前に立ち塞がる困難に、どう立ち向かえばいいのか。経営も『解答がない』わけですから、自分の意思と判断をもとにどう立ち回れるかが重要です。審美眼や勘を養うためには、ネットのみに頼るのではなく、長い年月をかけて人脈や知見、スキルを身につけていくことが必要。上を目指そうと思ったら、ネットに出ている知識だけでは勝てない。そんな時代なのではないでしょうか」

今後は中国でのビジネスを強化する

 大黒屋は「ブランド品リユース市場の世界No1」を目指すべく、グローバル化をさらに推進していく。最後に今後の事業展望について、小川社長は「越境EC含め、中国市場に注力していく」とし、抱負を語った。

「2016年に中国最大の金融財閥グループである『CITIC』と提携していますが、さらにアリババとの提携により今後は中国市場での販売・買取を強化したいと思っています。というのも2025年には世界でブランド品を持つ5割を中国人が占めると言われており、かたや日本は6%とマーケットとしては非常に小さい。

 他社も中国展開を進めていますが、大黒屋の最大の強みは、提携のキーマンになった中国人に大黒屋の社外取締役を担ってもらっているんです。彼は中国当局含め、現地での太いパイプを持っている。ご存知の通り、中国では何か起きたときのリスクは非常に大きいのですが、彼を間に通すことで交渉事が優位に進められている。すでにあるオフラインでの店舗チャネルのほか、越境ECやAI鑑定といったオンラインでの販売体制を強化し、成長させていきたい」

 中国を中心にグローバルへビジネスを拡大する大黒屋。今後の発展に期待したい。

<取材・文・撮影/古田島大介>

1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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