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「安く機種変できます」の裏側。学生がカモられる「モバイルプランナー商法」体験記

コラム

LINEの友達に片っ端から連絡するハメに

 その後、説明していた社員とは入れ替わりでギラギラしたホスト風の男が登壇。どうやらナンバーワンの契約数を誇るモバイルプランナーらしく、大学生にして200万稼いだ月もあったのだとか

 このホスト男の体験談(今思えばほぼ自分語りでしたが……)を長々と聞かされた後、営業のコツを伝授されました。それはいわば根性論だったのですが、周りの研修生は目を輝かせながら話を聞いていたので、なんだか不気味な空間だった気がします。

 この日はこれだけでなく、研修生には、「応援アポ」なる課題が与えられました。各自に電話マニュアルを渡され、それを見ながらLINEの友達100人に電話をかけなければならなかったのです

 先ほども触れたように、この会社は広告費を削っているため、お客をモバイルプランナー自身で獲得しなければなりません。その手段が、自分のLINEの友達ってわけだったのです。

人間関係を犠牲にしてまで契約させる

セミナー 講師

 いきなりのハードな課題に、自分を含め、周りの研修生たちの顔は曇ります。しかし、ここで社員はこう鼓舞してきたのです。「どうせここで電話して、縁の切れるような友達は、なにもなくても縁が切れるから大丈夫だ!」

 この他にも、アツい言葉で研修生達に声をかけ続ける。これが「応援アポ」と呼ばれる所以でした。社員が横で応援してるってワケです。テンション的には完全に洗脳のそれでしたが、みんな続々とアポ電話をかけ始めました。もちろん私も例外ではなく、小学校〜大学に至るまで、仲の良いやつに片っ端から電話をかけまくりました。

 結局、なんとか15人とのアポに成功したわけなんですけど、みな不審に思ったに違いありません。実際、電話には出たけど、アポれなかった友達とは一切連絡が途絶えました……。壮絶な研修の後日、アポれた友達が店舗まで足を運んでくれました。スマホを変える予定がなくても、営業トークの練習として、上司付き添いの元、プランの説明をするのが新人の勤めでした。

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