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「安く機種変できます」の裏側。学生がカモられる「モバイルプランナー商法」体験記

コラム

「友達が携帯会社に勤めていて、iPhoneが安く機種変更できます。気になった人は連絡してください!」

スマホ 男性

画像はイメージです(以下同じ)

 ツイッターやインスタグラムなどのSNSで、たびたびアップされるこの投稿。20代なら一度は目にした人も多いのではないでしょうか。

 このいかにも怪しそうな広告。実は「モバイルプランナー」と呼ばれる人々の仕業なんです。かくいう私も、去年まで、モバイルプランナーとして働いていました。この世界の実情を皆さまにお伝えしたいと思います。

社会人になる前に営業経験を積めると思い…

 私がモバイルプランナーとして働いていたのは、大学4年生の半年間です。早々と内定を決めたあと、私は当時とにかく暇を持て余していました。一足先に就職活動を終えていく友達を尻目に、「こんなんでいいのかなぁ」という漠然とした焦りを感じていたのです。

 そんな思いが日に日に強くなり、就職する前に、社会経験を積めるアルバイトを探すことにしたのがきっかけでした。「社会人といえば営業だ」そんなイメージを勝手に抱いていた私は、求人広告でたまたま目に入ったモバイルプランナーという文字に惹かれました。

 そこには、<スマホの機種変更の提案営業です! 大学生歓迎! 時給1500円~>との説明が。「営業マンとしてのスキルを身につけながら、お金までもらえるなんて最高じゃん!」と、すぐさま応募。簡単な面接を受けてみると、あっさり後日合格との連絡が。

 しかし今思えば、ここでやめておけば……と強く後悔しています。

研修で怪しい条件をつきつけられる

セミナー 組織

 モバイルプランナーとして、実際に店舗で働く前に、本社で1日だけ研修を受講しなければならないとのことで、夜行バスで某地方へ向かうことに。小ホールのような会場に通されると、そこには私の他にも多くの大学生がいました。研修といっても勤務初日、みんな緊張している様子だったことを覚えています。

 社員登壇による会社概要の説明から始まり、勤務内容へ。モバイルプランナーの役割は、とにかくアポを取ることにありました。お客様に他社よりも安く機種変更してもらうために、土地代・広告費をカットしていることが理由なのだとか。つまり、広告費を削っている分、自分でお客を集めなければならないのです

 この時点でだいぶハードな予感はしましたが、さらに説明は続きます。お客様に還元するという名目の、機種変更の違約金カットやカバーフィルムをサービスする際の代金は、モバイルプランナー自身が負担しなければならないとのこと。

 また、給料は完全歩合制で、1人を契約するところまでもっていって、ようやく1万〜1万5000円が支払われるんだとか。求人広告と言っていることが全然違い、正直困惑し始めましたが、疑問に思う暇を与えるスキはありません。

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