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夢より結婚を選んだバンドマン、初の就職で待っていた悲しい現実

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せっかく就職したのに…

バンドマン 転職

 知人のツテで営業職として就職した清水さん。長かった髪はバッサリ短髪の黒髪にして、ピアスも外し、会社の規定に沿ったビジュアルにイメチェンしたそうです。

「久しぶりに黒髪短髪にしてかなり違和感を覚えましたが、『大人になるってこういうことなんだなぁ』と諦めました。それより収入が下がったのが痛かったです」

 社会保険や積立があるので仕方がないにしろ、手取りは15万円。当時を「しんどかったです」と振り返ります。

「それに加え、頑張ってるのに彼女がどんどん冷たい対応になっていったんです。俺も仕事のストレスで『お前のために就職したのに』って、逆ギレすることもあって。そしたらついに『もう別れよう』って言われてしまいました。何度説得してもダメで。最終的には『バンドを頑張ってるアナタが好きだった』って言われてしまいました。返す言葉もなく、別れることになりました」

脱退したことを悔やむ日々

 そしてなんと元彼女は現在、別のバンドマンと付き合っていると風の噂で聞いたそうです。

「しかも俺のバンドより格下だし、バイトしないとやってけないような感じなんですよ。単純にバンドやってる人が好きなんでしょうね。でもどうせならすごい売れっ子とかと付き合っててほしかったです……」

 その後、清水さんの在籍していたバンドは、さらに人気が出たそうで「何回も脱退したことを悔やんだ」といいます。

「今も同じ会社で働きつつ、趣味でバンドをやっています。収入も安定してきましたが、多分あのままバンド続けてたほうが収入はあったと思います」

 彼女のために安定を取ったことで、結果的に人生が大きく変わってしまいましたが、あくまで音楽での商売は水物。いずれ「今の道を選んでよかった」と思える日が来るのではないのでしょうか。

<TEXT/吉沢さりぃ イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。近著に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)がある。『日刊SPA!』『BLOGOS』などで執筆。趣味は飲酒
Twitter:@sally_y0720

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