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25歳・手取り15万円でのんびり店長「お客さんゼロでも構わない」

学び

 商売を行う場合、本来の目的は利益の追求です。しかし、なかには「本気で商売をする気があるのだろうか?」と疑問に感じるほど閑古鳥の鳴いている店もあります。

シャッター商店街

画像はイメージです(以下同じ)

 駅前にシャッター商店街が並ぶ田舎町にある篠山秀樹さん(仮名・25歳)が店長代理を務める衣料品店もそんなお店のひとつ。街の中心部から少し離れた住宅街にひっそりとあるため、フラッと立ち寄る一見のお客さんもほとんどいないといいます。

当初はお客がゼロの日もあった

「交通量の多い幹線道路から1本入った場所にあって、地元の人間以外まず通らない場所ですから。お店は10時から17時まで営業しているのですが、当初は冗談抜きにお客さんが1人もお店に来ない日もありました(苦笑)」

 そんな状態であれば閉店も時間の問題のように思いますが、お店自体は20年以上前からあるとか。これで経営が成り立つのでしょうか?

「私がこのお店を担当するようになってまだ2年半ほどです、が毎月赤字です。土地建物は運営会社が所有しているのでテナント料はかかりませんけど、自分の月給(手取り15万2000円)以外にも光熱費や電話代など細々とした出費があります。でも、上からは『今のままで維持してくれたら構わない』と言われていたんです」

利益が出てしまうほうがマズい

婦人服

 赤字が続いているのに会社はそれを容認。ますますワケがわかりません。

「この店自体が税金対策の一環で作った店らしく、逆に利益が出てしまうほうがマズいみたいです。一応、店長代理という肩書ですが、あくまで店番に過ぎないので詳しい事情はよく知らないんです」

 ちなみに店長は、運営会社社長の娘さん。今はお店に顔を出すことは滅多にないそうですが、篠山さんの母親とは昔からの友人で、篠山さんが前の会社を辞めて地元に戻ってきたこと聞き、「よかったらウチで働かない?」と誘われたそうです。

「最初は断るつもりでしたが、店番業務で客も少ないと聞いたらラクそうだなと思って。仕事内容を見れば給料が安いのは当然ですが、安すぎるほどでもないし、実家に戻ってきたので生活するには全然困りません。それに副業もOKだったし、条件としてはそこまで悪くなかったので次の就職先が決まるまでのつなぎとして働くことにしました」

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