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ハーゲンダッツはどれが人気?No.1フレーバーと「甘すぎない新作」誕生秘話

ビジネス

 仕事の息抜きに食べるスイーツ。ケーキやチョコレート、ビスケットなどさまざまな商品がスーパーやコンビニなどで手軽に購入できる。なかでもアイスクリームは、業界最大手のロッテを筆頭に、グリコ、明治、森永など大手メーカーがしのぎを削っている。

 そんななかで独自の立ち位置を確立しているのがハーゲンダッツ。“ちょっと高級なアイスクリーム”の代名詞として、ユニークなフレーバーや新商品を生み出している

ハーゲンダッツ

ハーゲンダッツ ジャパン株式会社の脇悠子さん

 食べるだけで贅沢な気分になれるハーゲンダッツは、どのように作られているのか。ハーゲンダッツ ジャパン株式会社ブランド戦略本部の脇悠子さんに話を聞いた。

最も売れるのは実は12月!

 そもそもアイスクリームといえば暑い夏のイメージだが、実はハーゲンダッツが最も売れるのがこれからの寒い季節、12月だという

「暖かい部屋でアイスクリームを食べる至福感だったり、年末年始のご褒美感だったりで、12月に買われる方が多いです。クリスマスの時期でもあるので、いつもより良いものを食べたい気分が高まるのかもしれません。大勢が集まる場に、手土産として持っていく方もいますね」

 ここ数年のアイスクリーム市場は好調を維持している。一般社団法人日本アイスクリーム協会が集計した「販売実績」によれば、2019年度の売上高は5151億円。過去最高だった前年度5186億円から微減したが、過去10年を振り返れば市場規模は1000億円近く拡大し、2016年から3年連続で5000億円超をキープしている。

 ただ、脇さんによれば「ほかのアイスクリームメーカーさんと競合という意識はあまりない」と語る。

「ハーゲンダッツは、スイーツというより、自分への頑張ったご褒美に近いものだと考えています。いつもと違った感覚、いわば非日常感が大事です。そのため商品企画で参考にしているのも、リゾート地での食体験やホテルで食べるスイーツビュッフェが多いですね」

国内人気No.1フレーバーは?

ハーゲンダッツ

7種類だったミニカップ定番フレーバーだが、今年8月に「ラムレーズン」が加わった

 そもそもハーゲンダッツには、バニラ・ストロベリー・グリーンティー・クッキー&クリーム・マカデミアナッツ・クリスプチップチョコレート・リッチミルク・ラムレーズンの8種類が「定番フレーバー」としてある。加えて、期間限定で新たなフレーバーを開発している。

 ちなみに日本でもっとも人気なフレーバーは「バニラ」。あの濃厚でクリーミーな味わいは、どう生まれているのか。秘密は、アイスクリームに含まれる空気の量にあるようだ。

「空気の含有量を20~30%と、低く抑えることで、小さくてもずっしりと重く、濃厚な味わいになるのです。また、急な温度の変化や、冷蔵庫の温度管理が不十分だと、アイスクリスタル(アイスの結晶)が成長し、食感が損なわれます。そのため、製造から流通まで温度管理を徹底するようおいしさを守る取り組みを続けています。」

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