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「コロナで給与がゼロに」出版社に新卒内定した22歳女性の絶望

学び

 新型コロナウイルスによる景気低迷、あるいは増税による可処分所得の減退により、若者をとりまく環境は日に日に厳しさを増している。月収10万台という新卒社員もなかには少なくない。

新入社員

※画像はイメージです(以下同)

 今回話を聞いたのは、新卒で出版社に内定をもらったという市川彩子さん(仮名・22歳)。都内の高学歴私立大学を卒業した彼女だが、入社先ではとんでもない“仕打ち”に遭ってしまったそうだ。本人に話を聞いた。

大学卒業前に出版社から内定

 ある雑誌を見て、版元である出版社A社の名前をネットで検索し、正社員を募集していることを知った市川さん。そのままネット経由で採用に応募した。

「私はあくまで正社員として雇ってもらうつもりで面接に行き、履歴書にも大きく『正社員志望』と書いたのですが、面接で『うちの会社は中途採用以外、アルバイトとして一定期間働いたあとしか社員になれない』という話をされました」

 市川さんが面接官に「一定期間ってどのくらいですか?」と聞くと、「それは会社の状況やその人の働きぶりによるからなんとも言えない」と一蹴されてしまった。

「『それってずっとアルバイトの可能性もあるってことじゃないのか』と思いましたが、他に内定もなく志望している職種だったので2回の面接後、アルバイトとして入社することにしました」

内定をもらってからアルバイトに

出版社

新卒で出版社に内定をもらった市川彩子さん

 仕事内容は主に取材への同行や細々とした雑用で、1日の労働時間は1時間休憩込みの8時間という一般的なものだった

 市川さんはA社に入る前に別の出版社でもアルバイトをしており、そこはドラマで見るような煌(きら)びやかな世界に近かったそうだが、A社は小さい会社ということもあり華やかな雰囲気ではなかった。

「とはいえ『憧れの仕事ができる!』と期待していたのですが、やりたかった編集の仕事はさせてもらえませんでした。それでも何か新しいことをやってみたいと考えていたので、自分から手を挙げて会社のWEBサイト運営を手伝わせてもらいました」

 そちらも取材をメインに歩合制で月4万円ほどもらっていたそうだ。市川さんは奨学金を借りており、アルバイトと合わせるとそれなりに収入もあったため生活には困っていなかったという。

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