セガ、20年ぶり「プリクラ市場」に再参入。なぜ今なのか、開発者に聞いた
「プリント倶楽部」時代のノウハウも活かされた
開発のかたわらで、もう1つ苦労したというのが販路の開拓。しかし、そこでもプリクラの元祖としての存在感が役に立ったといいます。
「アミューズメント施設にあるプリクラのコーナーは、各メーカーが決まった台数の中で新機種を入れ替える流れが基本となっていました。そのため、自分たちが元祖だという自負はあるものの、販路をゼロから開拓しなければならない状況でした。
尽力してくれたのは初代『プリント倶楽部』で営業を担当していた人間で、アミューズメント施設に対してどのようにメリットを伝えるべきかなど、当時の経験をふまえたノウハウを活かしていきました。また一方で、施設側からは『元祖のセガが20年ぶりに参入するなら』と温かい声もいただき、快く受け入れてくれたケースもありました」(有川)
盛る文化のトレンドは常に移り変わる
プリクラの進化の歴史をたどれば、容姿を“盛れる”というのもユーザーに受けている特徴。しかし、現代ではその意味も変化しつつあるようです。
「盛ると一言でいっても、トレンドの移り変わりは激しいです。現代は、比較的ナチュラルな仕上がりが求められていて、単純に目を大きくするといった加工ではなく、まつげを目立たせるなどの細かな部分へのこだわりがみられます。
ターゲットの中心になる女子高生の需要は現場でもアンケートなどを通して汲み取り、その声をさらに開発側の言語に訳して、よりよいプリクラづくりに尽力しています。プリクラの撮影ではユーザーが自由にポーズを変えていくので、あらゆる被写体の状態に対応するのも難しいところです」(宮中)