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入社2年目までは「人事評価」は成果よりも勤務態度で決まる

学び

仕事の法則4:新人でも評価につながる項目が

 冒頭では「新人は経験値ゼロから始まるので期待されない」と言いましたが、評価は別物です。経験を重ねる中で仕事の成果や業務プロセスの適切性、職務行動について評価されていきますが、配属から1〜2年程度では埋もれた能力を発揮し、認められるのは難しいと言わざるをえません。短い期間でそんなに多くの経験を積めないからです。

 ところが諸先輩方の誰もが分かる新人(3年目くらいまで)の評価項目があります。「積極性」「責任感」「協調性」「規律性」といった、いわゆる勤務態度です。

「今の○○さんにはちょっとハードルが高そうだが」と思ったタスクを、「是非、やらせてください!」と積極性を示せば、「イマドキの若い奴なのにやるなあ」という評価になりそうです。困難だと思われたことでも最後まであきらめずにやり遂げたら「なかなか責任感があるな」と思われます。

 打ち合せなどで意見の対立があったときなどに、「そういう考えもありですよね」などと上手く周囲が納得するような立ち振る舞いをできれば、協調性が評価されそうです。

別名「言ったもん勝ちの法則」とも

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 一方で、規則やインフォーマルなローカル・ルールが守られないと、新人だけに「まだまだ学生気分だな」とマイナス評価されることになるでしょう。

 これらの項目は能力や成果ではなく、態度なので、評価につながるかは本人のやる気次第です。「積極性を見せると、仕事がドンドン降ってきて、こなせない量になるのでは」という不安があるかもしれませんが心配は無用です。

 上司は基本的に部下の力量(特に新人や若手)を見ながら仕事を与えています。部下がオーバーフローするほどの仕事量は持ち出してこないでしょう。特に最近はパワハラだと思われると困るので。

 まずは態度を示せば、「気持ちは有難いが、無理しなくていいよ。今の仕事に全集中してくれ」というコメントとともに「積極性あり」のプチ評価がつくかもしれません。なので、別名「言ったもん勝ちの法則」とも言います。

<TEXT/人事コンサルタント 麻野進>

株式会社パルトネール代表。企業の大きさ、業種を問わず「マネジメント」「出世」「働き方改革」といった様々な問題を解決する組織・人事コンサルタント。人事制度構築の実績は100社を超え、年間1000人超の管理職に組織マネジメントの方法論を指導

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