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パッとしない5G規格の現在地。5Gスマホはなぜ普及しないのか

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 2020年3月、鳴り物入りでデビューしたはずの通信規格が「5G(第5世代移動通信システム)」である。しかしあれから5か月経った現在でも、“鳴り物”の音はまったく聞こえてこない。

5G

画像はイメージです(以下同じ)

 周囲を見渡しても、「5G経験者」はほとんどいないのが実情だろう。我々のポケットのスマートフォンは、変わらず4G/LTEでの通信を行っている。それでは、来たるべき2020年代のスターとして生まれたはずの5G規格は、今どこをさまよっているのだろうか。あまり実用的な話ではないが、今回はその“現在地”を探ってみたい

対応エリアが全然拡がらない

 先に述べたように、5G回線はほとんど普及していない。理由はいくつかあるが、最大のものは対応エリアの狭さだろう。

 現時点で5Gの基地局は、フリーWi-Fiのようにポツリポツリと“点在”しているにすぎず、東京都心にも対応エリアと呼べる場所はわずかだ。2020年8月の時点では、5G端末を持つメリットも、5G契約をするメリットも一切ないと言ってよいだろう。

 また、各社の増強計画にも不明瞭な点が多く、「5G時代の勝ち組」を占う材料に欠けている。したがって「おすすめできるキャリア・プラン」についても語り得ない状態である。

例外的に5G対応エリアとなったのは?

オリンピック イメージ

 とはいえ、3G(2001年〜)でも4G(2010年〜)でも、基地局の整備が進んでユーザー数が増加したのは、サービス開始から2〜3年後のことである。5Gだけが特別“発育不良”だというわけではない。

 2Gから3Gへの移行に際しては、ユーザー側が「2G端末か、3G端末か」の二者択一を迫られたため、世代交代に5年以上の期間を要した。4Gから5Gへのスイッチの場合、そこまでの時間はかからないと見ていいだろう。

 5G基地局の整備が例外的に進んでいるのが、今夏開催予定だった東京五輪の関連施設である。本来ならばここが5Gの本領発揮、お披露目の場所だったはずだ。最新規格の電波は、ただ閑古鳥を撃つばかりとなった。

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