LINEで100万円被害に…夢を追う26歳に「コロナ支援詐欺」のワナ
コロナウイルス感染症に関する支援や援助といった名目で、多くの詐欺やお金を騙し取る事案が増えているといいます。人は苦しいとき、甘い言葉にすがりたくなってしまいがちです。
今回は、そんなコロナ被害支援の甘い言葉に乗り、大きな損失を被ってしまった男性のエピソードをご紹介します。
コロナによって絶たれた収入
高瀬浩一さん(仮名・26歳)は、大学卒業後小さい頃からの夢であったパントマイムパフォーマーになるべく、厳しい世界に飛び込みました。
路上パフォーマンスやライブの前座など小さなステージでコツコツと経験を積み、現在では月に4回開催するライブハウスでのステージにも、多くの人が見に来てくれる人気のパフォーマーになりつつありました。
そんななかで訪れてしまったコロナウイルス感染症の拡大。高瀬さんが公演をしているライブハウスも営業自粛の例外ではなく、ステージに立つこともそこで収入を得ることもできなくなってしまいました。
「月に4回のステージ以外にも、地方での営業や文化祭などでのパフォーマンスなど、予定しているすべての仕事がなくなり、収入はゼロになってしまいました。さらにこの時期に企画していた大きめのイベントも中止せざるを得なくなり、すでに用意していたグッズなどの支払いだけが残ることになってしまって、不安と焦りばかりの毎日でした」
友人からの甘い言葉
人気パフォーマーになりつつあるといっても、ほとんどその日暮らしのような生活をしていた高瀬さん。収入がなくなると、家賃を支払うので精一杯で食べることすらままならなくなっていました。
そんなとき、数年前にあるライブハウスで知り合ったイベンターなどをしているGさんから突然のLINEが。しばらく連絡を取っていなかった彼から送られてきたのは、彼の叔父が経済産業省に勤めており、そこで若手のアーティスト支援に乗り出しているというもの。
「LINEにはURLも貼られていて、そこを見てみると『100万円の補助』という文字が真っ先に目に入りました。今考えれば怪しいところばかりなのですが、そのときは食事もまともにできておらず、冷静な判断ができなくなっていたんです」