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河井夫婦逮捕、給付金スキャンダル…それでも若者は「安倍支持」なのか?<ダースレイダー>

コラム

「河井夫妻が論外」と断定できる理由

 今までも政治家が不正を侵すとこういった報道がたくさんありました。でも、政治家がお金を集めること自体が悪いことなのか? 自分のために金を集めているんだったらとんでもない話だけど、何かの政策をやるために、お金を集めたり使うこと自体が悪いのかというと、僕はちょっと違うと思います。でも、これは一緒くたに報道されることが多いです。

 なぜかというと、政治家は官僚の言うことに口出しができるからです。だから、検察は政治家を捜査して、検察から出てきた情報がメディアで報道される。そのとき、人はやっぱり「あいつら(政治家)が悪いんだな」と思ってしまう。

 ちなみに河井夫妻が論外なのは、疑惑が出てから2019年秋の臨時国会にまったく出席せず、何にも仕事をしていない。そして、今春の国会でも出席はしていましたが、非難轟々の中で何にも活動をしていない。だから何のために金を使って選挙に勝ったのかもわからない。政治家としての仕事を放棄しているので、早く辞めてもらってかまわないです。

この世界はシンプルではない

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ダースレイダー:こういうことをふまえると「ちゃんとしていこうとしてないのは、どっちなんだ」と考える必要がある。例えば持続化給付金の問題だって、担当は官僚だけど、政治家に「どういうことになっているんですか」と聞いていいんです。官僚が何をやるか僕らに見せてもらえないんだったら、政治家が明らかにしていく必要があるわけですから。

 そういったシステムがぐるぐる回った上で僕らは日常生活を送っている。それがコロナで1回ストップして、裏側を見たり、周りから見るという見方ができるようになりました。

「#検察庁法改正案に抗議します」というムーブメントによって、僕らの日常がどうやってできているのか気づき始めた人は、ぜひその先に進んでください。そもそも政治家、官僚の仕事が何か、政権がどこに誰を任命しているのか、「アベノマスクを考えた」と言われている首相秘書官の佐伯耕三さんはどういう人なのか。

 そういったさまざまな事柄を見ていくことで、自分たちの住んでいる世界が、いかシンプルではないか分かり、その上で幸せな日常を送るには何が必要なのかということを、考えられるようになると思います。

<構成/鴨居理子 撮影/山口康仁>

1977年パリで⽣まれ、幼少期をロンドンで過ごす。東京⼤学に⼊学するも、ラップ活動に傾倒し中退。2010年6⽉に脳梗塞で倒れ合併症で左⽬を失明するも、現在は司会や執筆と様々な活動を続けている。

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