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ランニング中のマスクは危険!医師に聞いた「感染を防ぐ走り方」

暮らし

感染を防ぐ「走り方のポイント」

ランニング

――走り方のポイントはありますか?

山﨑:真後ろを走らないで少し左右にずれるのも飛沫を浴びることの予防になります。どうしても周囲に人が多い時だけ、マスクやバフ(ランナーが使用する筒形形状の布)を着用する。あとはランナーは大きな呼吸をするため、大声で叫ぶのと同じように飛沫を飛ばす可能性がありますので、大きな呼吸をしなくていいペースで走るよう心がけてください。

 もしアスリートのように、ペースを上げて負荷をかけたいのであれば、人混みをできるだけ避けるために早朝の時間帯に走るのがいいでしょう。常時マスクを着用するのではなくて、マスクをしなくてもいい環境で走ることが大事だと思います。

――でも、今のようなご時世にマスクを着けないのは、人の目が気になります。

山﨑:街ではマスクを着用している人を多く見かけますが、夏場の屋外でマスクをして活動するのは、これから熱中症のリスクが高まります。外出して屋外を歩くだけだと、本来マスクはいらないですよね。

 2メートル以内に近づいて会話をするから飛沫感染の可能性があってマスクが必要になる。特に会話をしないなら必要ありません。屋外にいるときは原則マスクを外して、人混みや屋内では着用することを推奨します。

コロナ禍で変化したマスクへの意識

――コロナ以降、外出時にマスクを着用していない人のほうが珍しくなりました。日本人のマスクに対する認識についてどのように考えていますか?

山﨑:日本人は、とにかく自分たちを守るためと思ってマスクをしていたと思います。しかし自分を守る効果は限定的です。マスクはこれまで基本的には咳やくしゃみなどの症状がある人が他人に感染させないためにつけるものでした。でもこのコロナ禍で、自分に症状が見られなくても、他人への感染予防のためにとにかくマスクを着用するようになりましたよね。

――コロナによってマスクへの意識が変化してきたんですね。

山﨑:コロナは無症状でも他人に感染させる人がいることがわかってきたので、無症状でもマスクをつけることが推奨されるようになったのです。今までの日本人のマスクをつける習慣が結果として、感染拡大を防ぐのに有効だった可能性があります。マスクの着用率の高さは、日本が欧米と比べてコロナが流行らなかった要因のひとつとして推測されています。

 それもあってか、緊急事態宣言が解除された今になっても、常にマスクを着用しなくてはならないという空気があると思います。夏場や、運動時のマスクにはリスクもあるということを知っておいてください。屋外のあまり人が密集していない場所に関してはマスクを外すように心がける。マスクの着用が必要ない場所もあることを理解してほしいです。

<取材・文/目黒川みより>

フリーペーパーを発行する出版社勤務を経て、現在はWEBデザイン会社にてディレクターとして勤務。お忍びで「心の問題」を扱う執筆活動を続ける

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