ランニング中のマスクは危険!医師に聞いた「感染を防ぐ走り方」
ランニング時にとるべき感染対策とは?
――マスクの種類によってリスクに違いはあるのでしょうか。
山﨑:はい。特にウイルスなどの感染症予防に有効とされる「N95マスク」のような医療用マスクは、密閉度が高いので、かなり呼吸しづらくなりますね。運動時に着用するなんて、もっての外ですよ。
密閉度が低いマスクであれば、比較的呼吸はしやすいですけど、それでも換気量が減ることに変わりません。密閉度が低くても、飛沫を飛ばすことを予防できないかもしれません。
――では、ランニング時にはどのような対策を取ればいいのでしょうか。
山﨑:原則として、激しい運動時は、マスクのような口を覆うものは着用すべきではありません。
ランニングのような屋外での運動に関しては、人との距離が2メートル離れていれば、飛沫感染することはほぼなくて、マスクをする必要はありません。距離をとることで十分なのです。
他のランナーとは2メートル距離を取る
――他のランナーとの距離はどのようにとればいいですか?
山﨑:等間隔で走るランナーは10メートル距離を開ける必要があるという研究があります。
これはランナーが同じ方向に走っているため、前のランナーからは10メートルの距離でも実際に飛沫が飛んでいるのは、飛沫が発生した場所のせいぜい前2メートル、横1メートルくらいです。周りの人と2メートルの距離を開けることを意識すれば、感染させることはほとんどありません。
「ランナーは10メートル以上飛沫を飛ばす」と誤解されていると思います。飛沫に後ろのランナーが飛び込んでいくイメージするとわかりやすいかもしれません。ランナーの後ろを走る場合はある程度、距離をとることが必要と思います。
概算すると、走る秒速×2秒+αメートルくらいでしょうか。これは、飛沫が2秒くらいで1メートル落下するという想定での計算です。結局のところ、周りの人と2メートルの距離を開けることを意識すれば感染させることはほとんどありません。