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「投資は500円でできるゲーム」最初に選ぶべきものをプロがズバリ解説

コラム

メンタルを鍛えることこそが投資

――コロナショックで3月の市場は大きく混乱しました。損した人も多いと思います。

森永:投資は長くやればやるほど複利が効いてくるので長期で考えるべきであって、反対にやっちゃいけないのが、せっかく始めた積立を今回のようなコロナショックに伴う急落を見て「怖い」と思って止めてしまうことです。その後、相場が回復してきたタイミングで積立を再開するのは最悪な行為です。

 基本は一度「つみたて投資」を始めたら、相場は一切気にせず淡々と続けることです。これを「睡眠投資法」って僕は呼んでて、気づいたら資産が増えてましたというのが理想です。本来、相場ってどうしても波があるもので、いつ上がるか、いつ下がるかは誰にもわからないものです。

 だから「2年間で何割増やす」という目標を立てても、この先2年間が下げ相場となるかもしれない。でも、30年というタイムスパンで見れば、少なくともアメリカの株式市場については、基本的に右肩上がりといえる。そういう意味では長いスパンで見るべきです。

 そして年齢が50~60歳とリタイアが近くなってきたら、バランス型と呼ばれる債券や株を組み入れたファンドに資産を移し替えて、リスクを抑えにいきます。

人生100年時代に備える人生設計

森永康平

――年齢が進むにつれて安定資産の比率を高めていくと。

森永:僕らがおじいさんになるころって、マジで人生100年時代になってるだろうから、今までの「80歳くらいで人はみんな死ぬ」という世界的な常識が通用しない可能性が高い。だから60歳、65歳まで運用して少しづつ安全資産の比率を増やして、引退後は運用をやめて資産を取り崩しながら、それと年金で慎ましく生活するという人生設計も見直しが必要です。

 65歳で仕事を辞めて、100歳まで生きるとなると、あと35年間生きることになるので、その間自分が老後資金から毎月いくら引き落とせるかと考えると、マジで少なくてなんの足しにもならない可能性がある。

 そうなると今までは65歳で止めていた運用を、たとえば80歳くらいまで継続しないといけない。そこで難しいのが、人間いつ死ぬかわからないので、運用だけじゃなく少しずつ引き出していく必要も出てくる。この話が出ると「どうやって、資産を取り崩しながら運用すればいいのか?」と、よく皆さんから聞かれます。

いちばんカンタン つみたて投資の教科書

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