出勤再開で「会社に行きたくない」症候群の人たちへの処方箋
リモートワークのトラブル解決方法
「チャットやメールでは、自分の伝えたいことがそのまま伝わっていると思わないほうが良いですね。メールなどは、用件だけで文章が短いとキツイ印象になることが多く、相手の表情が見えないことから、怒っているのではないかとかネガティブな想像をしてしまいがちです。
発信側は目の前に相手がいないため、『こういう表現だと威圧的になるかな?』などと想像力を働かせる必要があります。非対面でのコミュニケーションでは、この点を意識し、相手を気遣う言葉を入れるなど工夫が必要だと思います」
こうしたコロナ以降の状況によって生じた悩みや、さまざまな人間関係のトラブルの根底には「新たに問題が生まれたというよりは、今までも存在した問題に直面している」と、舟木さんは分析します。
「テレワークのせいでこれまで築いてきた信頼関係が崩れた、コロナ明けにだれかと直接会うのが怖いといった悩みは、実は新たに起きた問題ではなく、これまで蓋をしてきた問題がコロナを機に表に出てきたのだと思います。ウィズコロナや、新しい生活様式のなかで変わりつつある働き方や人生観に、適応しきれずにいる人も少なくない印象があります」
出勤再開で会社に行くのが億劫に
なかにはテレワークの生活に慣れてしまい、出勤すること自体が億劫という人もいるかもしれません。
「そんなときは、自分にとって何が大変(ストレス)なのか、掘り下げて考えてみると良いと思います。ストレスなのは、通勤なのか、人間関係なのか、仕事内容なのか、あるいは体力的なことなのかを考えてみてください。
人間関係や仕事内容が原因であれば、テレワーク中に何か自分なりに深く考えたことがあったはずです。それは、働き方のスタイルかもしれませんし、『このままこの会社にいて良いのか』『この仕事を続けて良いのか』ということかもしれませんし、あるいは、人生観そのものかもしれません。そういった自分自身の問題を考えるきっかけにすると良いと思います」