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新型コロナで就活が激変。元メガバンク人事が攻略法を伝授

学び

企業理解のさらに先にある「業務理解」

――業界や企業理解だけでなく、業務理解まで深める必要があると。

ただの元人事:面接では、とにかく自分を売り込む必要があるんですけど、ほとんどの学生は「僕、めっちゃ行きたいんです!」ばかりで、「活躍できる理由」を話せない。

 多くの就活マニュアル本には志望理由が大事だと書いてありますし、ESにも志望理由の欄はあるけど「あなたが活躍できる理由を教えてください」っていう欄はどこにもないから。

 なので、毎年学生には、業務理解をさらに分解して、その業務はどんな能力が必要で、どんな人が活躍できるかを考えてもらっています。そして、彼らの学生時代の経験との共通点を探してもらい、それと組み合わせて面接でしゃべってもらうんです。

「どんな仕事がしたいですか?」に対する回答

セミナー

――具体的には、どのように話すのでしょうか?

ただの元人事:例えば銀行の採用で「入社後、どんな仕事がしたいですか?」と質問したとします。

 この質問に「融資がしたい」と答えた学生が「融資って、成長している人をより成長させる手段にもなりますし、困っている人を助ける手段にもなりますよね」って答えたりするんですけど、これってこの子の融資論を語っているだけで、活躍できるかどうか、まったく評価できないんですよ。

 僕は学生時代、この質問をされたときに、実際にこんなことを話していました。

「OB訪問で加藤さんという方から、『融資はあくまで結果であって、大切なのは過程だ』と聞いたんです。お客さんと一緒に会社のために何が必要なのかを考えて、アドバイスをし続け、その結果、もうひとつ工場を作ろうとなれば銀行が融資をする。融資の仕事の肝は、その過程なんだと」

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