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マツコの番組でも話題に!愛知の赤字水族館が大復活できたわけ

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 愛知県蒲郡市にある竹島水族館は、珍しい深海生物や飼育員による個性豊かなポップなどが評判の人気スポット。

さわりんプール

深海魚と触れ合える展示が常設されている

 2019年には来館者数約40万人を数え、バラエティ番組『マツコの知らない世界』で取り上げられるなど、いまや日本全国から注目を集めています。

 しかし、人気を集めるまでには「さまざまな試行錯誤もありました」と、館長の小林龍二さん(39歳)は話します。ジリ貧状態にあった地方の小さな水族館が、復活を遂げるまでの道のりを追いました。

子供の頃から魚に関わる仕事がしたかった

 岩手県にある北里大学水産学部(現・海洋生命科学部)を卒業後、地元にUターン就職した小林さん。漁師の祖父を持ち、幼い頃から魚に囲まれていたため「将来は水族館で働きたいと思っていました」と語ります。

「小さい頃から近くの川で魚を獲ったり、おこづかいで買った金魚を眺めたりして過ごしていました。友だちがサッカー選手や宇宙飛行士に憧れているそばで、僕はただ一人『水族館で働きたい』と言い続けていて。給料をもらいながら、魚に関わる仕事に就きたいと考えていました。

 ただ、夢が叶ったものの楽しく過ごしていたのは、入社から3か月ほどでした。だんだんと現状が分かるにつれて、不安が込み上げてきたんです。僕が入った当時、竹島水族館は来館者数が約15万人でした」

 一見、多いようにも思えますが、「当館は採算ラインが22万人」(小林さん)。明らかに足りていません。そこから「自分たちが楽しんでいるだけでは魚たちもかわいそう」と思い始めたそうです。

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