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いきなり好待遇も!海外旅行経験を武器に就活する「旅人採用」って?

学び

ヒマラヤ山脈で幸せについて考えた

エベレスト

※画像はイメージです(以下同じ)

――旅で得られた経験を元にして、「起業家マインド」に目覚める人も多そうですね。

田村:よくお話しするのは、旅をすることは「メタ認知(※自分を客観的に認知する能力)」に繋がるということです。旅を通じて視野が広がり、自分に何ができるかが見えてくる。何なら起業家の方の中にはメタ認知は海外経験でしか育めないと言い切っている人もいるくらいです。

――田村さん自身、世界一周を経験なさっているそうですが、メタ認知について実感したことなどはありますか。

田村:ネパール滞在時に考えさせられる出来事がありました。ヒマラヤ山脈でトレッキング(山歩き)をしていたんですけど、小中学生くらいの子どもが物資を運ぶ仕事をしていて4000メートルくらいを往復していました。

 僕らがひいひい言うような過酷な状況でも、その子たちは平気でこなしている。しかもすごく明るくていい顔をしているんですよ。それを見たときに自分の姿とか、日本の姿を重ねたり、幸せって何なのかを考えたりしましたよね。

 日本だと幸せは未来にあるみたいな見方が主流だと思うんですよ。例えば、いい家に住んで、いい給料をもらって、いい物を食べてみたい。でもそれは今を頑張らないと手に入らないという。幸せは未来にしかないみたいな感覚が強い気がします。

自分が働く理由をきちんと説明できる

田村:でも世界一周を経てみると「すでに幸せだ」というように捉えられるようになりました。幸せは探すものではなくて、感じるものだと思うようになりました。僕はそのことを「幸せの沸点をコントロールできるようなった」と表現しています(笑)。

 例えばですが、先進国と比べたら日本のインフラはすごく整っていて日本の温かいシャワーを浴びただけで、「インドの冷水シャワーは大変だったな」と思い出し、ホットシャワーを浴びているだけで幸せな気持ちになれたりします。

――御社の他のスタッフも旅経験豊富な方が大半を占めているようですね。

田村:皆ポジティブマインドがありますね。あとは自分が働く理由をきちんと説明できる人が多いです。それは簡単なようで、とても難しいことだと思うんですよね。また多様な価値観を理解している分、協調性があって建設的な話ができます。

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