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漫画家200人と会って感じた問題点。編集者未経験の33歳が起業するまで

学び

数万人の応募から100人の内定枠に

――そこの難関を突破できて入社したんですね。

前田:筆記試験の段階で数万人の応募があり、インターン時も500人程度残るなかで、100人の内定者枠にすべりこみ、「3年以内ならいつ入ってもいい」という手形をゲットしました。その後も採用があって最終的な同期が200人いましたね。

――ワークスアプリケーションズを辞めたのはなぜですか?

前田:入社説明会で、牧野さんに「30歳をすぎたら社会貢献する起業をして会社を辞めてくれ」と言われていたので、もともと途中で辞めるつもりでした。入社後はクオリティエンジニアとして品質保証をする部署に8年間在籍し、会計ソフトの製品をチェックしていました。本当は人事・給与ソフトのコンサルタントがしたかったのですが、今思えば会計知識を基礎から勉強できたり、エンジニアの考え方を学べるようになったのはラッキーでした。

 入社8年目の最後の1年はプレイングマネージャーとして起業を意識した働き方をしていました。ただ、起業するとはいえ、理由なき起業はしたくなく、何が自分のやりたい、かつ「社会貢献になることなのか?」を探してました。

「トップ3%以外は食べていけない」

漫画家

ワークスアプリケーションズでは誰でもできる仕事は自分がやる。先輩しかできないことは先輩に任せるという働き方で経験を積んだ

――では、そこから運命の漫画家のエージェントという仕事を見つけたきっかけは?

前田:そもそもは友だちの紹介でした。2017年秋に、友人を介して憧れていた漫画家さんのタマゴと出会う機会があったんです。彼女は当時「サンデー」で新人賞を受賞し、これから連載を勝ち取ろうと持ち込みをしている段階でした。そんな彼女が「漫画家はトップ3%以外は食べていけない」と語っていたんです。漫画家の世界が大変なのは知っていましたが、予想以上にシビアな世界だと感じました。

――すぐに起業したのですか?

前田:いや、そこから1年半知り合いの紹介で当時まだ30人くらいだった株式会社OKANで働くことなったんです。ワークスアプリケーションズは2017年末で退職し、翌年から平日の9時半から18時半までOKANで働き、それ以外の時間で起業準備をしました。

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