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年商33億円!元ブラック企業社長が語る「失敗からの這い上がり方」

学び

 大手企業をやめて、安定を捨てて…わずか一代で「自らの城」を築いた起業家たちに、今の若手ビジネスマンが学ぶべき生き方のヒントがあるはず。

 人気お笑い芸人ダチョウ倶楽部の「沸いてないよォ~」というコミカルなテレビCMがお茶の間でウケて、全国的な知名度が急上昇しているのが、ガス給湯器販売会社「キンライサー」。

キンライサー

ダチョウ倶楽部が出演したテレビCM(提供/キンライサー)

 家庭用のガス給湯器をリーズナブルな価格で販売施工する独自のビジネスモデルを構築し、年商は33億円に到達した同社の代表取締役CEOを務めるのが森崇伸氏(45歳)だ。

 いわゆる“叩き上げの成功者”である森代表が実践していたという、ゼロから這い上がるために必要なビジネスマインドとは?

給湯器の販売価格はなぜ高額か

――そもそも大手のガス会社を経由すると給湯器の販売価格が高額になるそうですが、なぜですか?

森崇伸(以下、森):大手ガス会社さんの取り扱っている給湯器は自社製品ではなくて、ほとんどがOEM供給(A社がB社に製造委託し、その製品をA社のブランドで販売する生産方式)の商品です。

 それで間に代理店やグループ会社が入っているのですが、そこが最初に給湯器をガス会社から購入して、サービスショップさんに卸すというルートを辿ります。ところが大手ガス会社さんを経由した給湯器というのは、仕入れ値が販売価格の60~62%くらいを占めていて、必然的に高額になってしまい値下げもおいそれとできません。

 キンライサーでは、大手ガス会社さんと同じOEM供給の商品でも、仕入れ値を大手の3分の1に抑えることができるので、販売価格も大手の半値程度にまで下げて、お客様の元にお届けすることができるんですよ。

「頭を下げたくない」生意気だった当時

キンライサー

キンライサー代表取締役CEO・森崇伸氏

――そんなキンライサーの森社長ですが、大学には進学せず、自動車整備士や給湯器の施工スタッフを経て、23歳の時に起業されたそうですね。

森:高校生の頃から「将来は独立して絶対社長になりたい」と思っていました。というのも、家では威厳のあった僕の父親が仕事で何度も頭を下げる姿を幼少期に見てしまい、すごいショックだったのが忘れられなくて。

 そのことがきっかけで「他人に頭を下げたくない」という世間知らずで生意気な考えに染まってしまったのですが、今では、その父親以上に頭を低くして仕事させてもらっています(笑)。

――そうなんですね(笑)。では、若いころから社長になりたいという思いは強くあったのですね。

森:とにかく当時の僕は、早く社長にならなきゃと思っていましたから、大学へ進学すること自体が遠回りのように感じたので、高校を出てすぐ、自動車整備会社に就職しました。それで整備士を4年ほどやったのですが、自動車整備業では独立しても利益を出すのが大変だということがわかって、悩んだ末に結局は会社を辞めてしまったんです。

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