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ドンキ・ホーテ、海外事業に強み「焼き芋、青果は不動の人気」

ビジネス

公式サイトの「知的」なイメージ

ドン・キホーテ

※PPIHのIRリリーストップ

 PPIHの公式サイトを見ると、意外に思うかもしれません。「白と紺」と落ち着いた色でまとめてあり、「ドン・キホーテ」の店舗カラーでもある「赤・黄色・黒」のにぎにぎしいイメージからはかけ離れています。

 数値目標を前倒しで達成したことをファーストビュー(読み込み直後に表示される部分)に持ってきたりと、「数字の成果」を強調しています(※執筆時点)。

 現在のPPIHの代表は吉田直樹氏。有名な戦略コンサルティング企業マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、2007年にDon Quijote(USA)Co., Ltd.(ドン・キホーテの米国拠点)社長に就任して以来、PPIH内の重要ポストを歴任しています。

 「東洋経済オンライン」の記事によると、この就任には「創業者である安田隆夫氏の意思」が反映されているようです(「ドンキ、営業経験がない「異色社長」誕生のわけ」2019/08/31)。

 安田氏は自著『安売り王一代』(文春新書)で自らを「破天荒で型破り」な人物と記し、そのエッセンスはドン・キホーテ店舗の「にぎやかさ、掘り出し物がありそうな感じ」に結実しています。

 今回の社長就任にあたっても、自らの考え方や経歴(店舗担当者からのたたき上げの内部昇格)を絶対善とせず、異なる文脈(企業コンサルティング・非営業部門)を持つ人物へと、大胆に権限移譲した姿勢は、とても興味深いです。

「マシュマロ構想」について

株式会社マシュマロ

「株式会社マシュマロ」の公式サイト

 2019年10月に発表された「マシュマロ構想」も興味深いです。一言で説明すると「若者向けマーケティング」「IT技術の活用」を社外企業と協働して進める構想です。

 その戦略を推進するための企業として「株式会社マシュマロ」も設立。公式サイトでは、4つの軸を掲げています。

1)グリーン・マシュマロ…SNS 上の嗜好性と購買行動を解析し、PPIHグループの顧客と店舗の結びつきをより深く、よりクリエイティブに進化させていくプロジェクト
2)ブルー・マシュマロ…AIの技術を導入し、PPIHグループの商品施策を「勘と経験と度胸」×「データで科学する」体制にするプロジェクト
3)イエローマシュマロ…10代限定のPPIHグループに対する諮問委員会
4)パープル・マシュマロ…リテール分野、金融分野におけるスタートアップとのコラボレーションによりイノベーションを創出するプロジェクト

 ①のグリーン・マシュマロはインフルエンサーマーケティングなどを行う「FISM株式会社」と、④のパープル・マシュマロはシリコンバレーに本社を置くベンチャーキャピタル「Plug and Play Japan株式会社」と提携することが発表されています。しかし、発表からまだ3か月しか経っておらず、今のところ目立った進捗はないようです。

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