ドンキ・ホーテ、海外事業に強み「焼き芋、青果は不動の人気」
直近の成長を支えるのは「食品」
では、このディスカウントストア事業のうち、何が直近の成長に寄与しているのでしょうか? 過去のセグメントごとの売上額も含めて確認します。
2018年6月期以前のデータはディスカウントストア事業に相当する「リテール事業」の値を利用しました。
こうして見ると「食品」が最も売上高が大きいことがわかります。これは「菓子類やインスタント麺などの『加工食品』及び酒類や日配品(牛乳などの毎日発注・配送される商品)が好調」(第39期決算業績説明資料「事業別業績概況コメント」より)であることによるものです。
確かに、近所のドン・キホーテに立ち寄った時にはお菓子などの加工食品を“ついでに”買って帰ることが多いので納得の結果です。
6年で売上400%増、急伸する「海外事業」
そして、「海外」事業の伸びの大きさも見逃せません。この6年間で394%の伸びとなっており、売上高が大きい「食品」の伸び(194%)を大きく上回っています。
これは、2019年・2018年度に海外の出店店舗数が倍増したことが影響していると考えられますので、決算説明資料内の数値をもとに整理してみました。
結果、2017年6月期までは14店舗で長らく安定していたものの、2018年6月期以降、米国QSI社による出店店舗数の比率が大きく増えていることがわかりました。
QSI社はアメリカ・ハワイで24店舗を展開する食品スーパーです。同社の株式取得は2017年8月31に行われており、これが海外事業の売上が伸びた大きな要因と考えられます。
東南アジアにも進出。「焼き芋」が目玉?
また、東南アジア仕様のドン・キホーテグループ新業「DON DON DONKI」も興味深い事例です。シンガポール、タイ、香港で展開し、シンガポールでは目抜き通りに面する高感度なファッション商業施設「オーチャードセントラル」にあります。
ここではなんと「焼き芋」が目玉商品。お洒落なショッピングセンターで焼き芋を食べる光景は、日本で暮らす身としてはあまりピンと来ませんが、決算説明資料でも「焼き芋を含む『青果』は不動の人気を誇り、売上を牽引」というコメントがあるので、数値の面でも確かなのでしょう。
また、タイのバンコクで展開している「DONKI MALL THONGLOR」もシンガポールの店舗と同様に、おしゃれなイメージを前面に打ち出しています。
(´Θ`). oO(ほほえみの国… )
■タイ 1 号店「DONKI MALL THONGLOR(ドンキモールトンロー)」本日タイの首都バンコクにオープン!https://t.co/4xZtHE7l0h pic.twitter.com/LleulBxLJW
— 驚安の殿堂 ドン・キホーテ (@donki_donki) February 22, 2019
トンローは、タイ国内で高級住宅地として知られており、DONKI MALLも日本でのイメージを覆す勢いで洗練された外観です。
海外事業は2019年6月期も売り上げが、前年比148%(654億8000万円から969億9600万円)と大きく伸びています。これも、東南アジア圏での出店がプラスに働いているためと考えられます。