敬語のミスにはパターンがある

　このように敬語には多様な型と一定のルールが存在します。なかには、間違った使われ方がパターン化し、あたかも正しい敬語としてビジネスシーンに定着してしまっているものもあります。

　例えば「二重敬語」。「お見えになられる」というと、大変丁寧な言い回しのように聞こえますが、正しくは「お見えになる」あるいは「いらっしゃる」です。原則として、ひとつの言葉にひとつの敬語を用いると覚えておきましょう。

　近年の「働き方改革」などによって、企業の中途採用なども増えています。その場合、職場の上下関係は必ずしも年齢と一致しないことがあります。

　このような状況でも、敬語をしっかりマスターしていれば、年齢に関係なく、互いに尊重し合い、敬意を表した円滑なコミュニケーションを図ることができることでしょう。

＜TEXT／西出ひろ子＞