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元キャバ嬢が8000万円営業ウーマンに。異色の「転職サイト」の舞台裏

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転職希望者の内定率は70%

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なかには「夜中に泣きながら電話してくる子もいる」が、とことん電話に付き合って励ます

――夜職経験者の中にも優秀な女性がいるのはわかりましたが、どうやって適正を見抜いたり、鍛えてるんですか?

坪嶋:転職希望者の方には最初の面談と面接の練習、入社準備で、必ず3回は会社に来てもらって、イチから転職のやり方を学んでもらっています。

 なかには4、5回研修に来る人もいますが、すべて無償でレクチャーしています。たとえば研修だと、営業のやり方やビジネスマナー、エクセル・ワードなどの使い方を教えることも。帰宅後にわからないところがあれば、LINEでPC画面を送ってもらい、細かく説明します。

――面接の練習はどんなふうにやるんですか?

坪嶋:想定質問をまったく考えられなかったり、志望動機のストーリーがぐちゃぐちゃになって中身がなかったりする子が多い。そんなときは部活でもいいので何かしら長い間、頑張った経験を話してもらいます。企業の中には女の子の就職後の定着率を気にするところが多いので。

 また、現在の家賃、彼氏の有無、病気、反社会勢力のつながりは必ず確認するようにしています。女の子の多くは「夜職をやめたら収入がダウンする」と頭では理解していても、生活水準はなかなか下げられない。そんなときは前職のつながりを活かして、安くてオススメの物件を紹介しています。

親戚が都内で小さな劇場を経営

――そもそも坪嶋さんはどういった経歴でしょうか?

坪嶋:高校卒業して、18歳のときに上京しました。親戚が都内で小さな劇場を経営していたため、そこで働いていたのですが、諸事情でそこを離れなくてはいけなくなり、結局、自分一人で仕事を探すことになりました。

 それで、水商売に興味があったのでサパークラブに応募して、週2、3回ペースで働いていたら、とても親切なお客さんと出会った。今考えると信じられないですが、いつもお小遣いをくれて、トータルで3000万円くらい(笑)。それで1年でお店をやめ、独立して、水商売の人を相手にしたバーを開いたんです。

――なかなか波瀾万丈な人生ですね。

坪嶋:でも、2年くらいでバーを知り合いに譲ったんです。「普通のスーツを着て仕事をしたい」と思ったから。でも、とりあえず時給が高そうな職業として真っ先に浮かんだのが、パチンコ屋さんだったので、そこに就職しました。正社員から役職がつき、28歳には店長代理になれました。

 とても良い職場だったのですが、結婚して、子供が生まれたとき「パパなんの仕事をしているの」と聞かれるだろう、と。そこで、「今の自分を本当に胸を張れるか」と、ずっとひっかかっていたんです。当時29歳。最後のチャンスだと思って、不動産業界に転職しました。そこで働きながら、今の会社を立ち上げました。

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