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メルカリが鹿島アントラーズの経営権取得。IT企業がプロスポーツに参入するワケ

ビジネス

 2019年のサッカーJ1リーグは「横浜F・マリノス」の15年ぶりの優勝で幕を閉じた。

横浜F・マリノス

※画像は横浜F・マリノス公式サイトより

 2019年の大きな話題のひとつとして、鹿島アントラーズのクラブ経営権の移動が行われたことが挙げられる。フリマアプリ大手の株式会社メルカリが株式の大半を取得し、8月30日に正式に「買収」が成立した。

 Jリーグ発足時から常勝軍団として、平成以降の日本のサッカー史を代表するプロクラブに新たな転機が訪れるとともに、新興企業の参入でスポーツ界が新時代を迎えた。

 そして、その波はサッカー界だけに止まらない。そこで、近年、増えているIT企業のスポーツ界参入の経緯を辿ってみた(なお、球団名には当時のものが含まれる)。

プロ野球:楽天、ソフトバンクの参入が皮切りに

 インターネットの普及し始めた2000年代、日本スポーツ界にも新たな景色が広がりはじめた

 2004年、大阪近鉄バファローズとオリックスブルーウェーブの合併に端を発した球界再編問題。その中で誕生したのが「東北楽天ゴールデンイーグルス」だ。プロ野球界において50年ぶりとなる新規参入球団の親会社として楽天が球界に参入。

 また同年の11月、ソフトバンクがそれまで経営面で苦境に立たされていた福岡ダイエーホークスを買収。業界屈指の古参球団が「福岡ソフトバンクホークス」としてイメージを一新した。

 楽天は創設9年目の2013年に日本一に輝き、ソフトバンクは今季連覇を成し遂げるなど黄金期を迎えつつある。ともに現在までプロ野球チームとして、強豪としての地位を築き上げてきており、オーナー会社を含めたその存在感は今後も大きくなっていくことは確実だ。

ヴィッセル神戸は大物を続々と獲得

ノエビアスタジアム神戸

ヴィッセル神戸のホームスタジアム「ノエビアスタジアム神戸」 photo by yuk CC BY 3.0

 また楽天は球界参入を果たした2004年、1月にはJリーグ「ヴィッセル神戸」の営業権を譲り受ける形でJリーグにも参入している。

 その強固な経営基盤を背景として、現在に至るまで、イニエスタをはじめとする世界的な超大物と呼べるプレイヤーの獲得はすっかりクラブカラーのひとつとして定着し、Jリーグのみならず、日本スポーツ界にとっても大きなインパクトを与え続けている。

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