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メルカリが鹿島アントラーズの経営権取得。IT企業がプロスポーツに参入するワケ

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IT企業ならではのファンサービスも

 2019年、東北楽天ゴールデンイーグルスのホームスタジアム・楽天生命パーク宮城ではスタジアム内の全店舗で“完全キャッシュレス化”を開始、世界初の試みとして、1・2軍のゲームで実施されている。

 さらに、2014年からは無料公衆LAN「イーグルスWi-Fi」のサービスも他球団に先駆け行われたほか球団公式アプリでの情報発信などにも力を入れており、ネット環境の充実を図るなど、様々なサービスの向上に取り組んでいる。

 横浜DeNAベイスターズも、本拠地の横浜スタジアムを巡ると同時に宝探しゲームも体験できる「謎解き宝探しスタジアムツアー」や、スタジアム外でも大型ビジョンで試合が楽しめる「ハマスタBAYビアガーデン」といったイベントを実施。

 豪華特典付きの「ファミチケ! 100万円VIPパック」などの企画も過去に行うなど、老若男女、多くのファンが気軽に楽しめる独自のファンサービスを追求している。

 サイバーエージェントはインターネットテレビ「AbemaTV」にて、FC町田ゼルビアのホームゲームや関連番組『FC町田ゼルビアをつくろう~ゼルつく~』を配信。自社メディアを所有する強みを活かし、新たなファン層を拡大することが狙いだ。

 それぞれの企業色が色濃く表れるファンサービスが繰り広げられている。なかには賛否両論分かれるものもあるが、いずれもファンには好評のため、IT企業のスポーツチーム参入は、今後も続くだろう。

<TEXT/佐藤文孝>

新潟県在住。Jリーグ、プロ野球、大相撲やサッカーW杯、オリンピックなど多くのスポーツの現場に足を運び、選手、競技から伝えられる感動を文章に綴っている

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