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関西電力「原発マネー」問題。社員が感じる組織への不満とは

ビジネス

金品を受け取らない恐怖…うつ病や半身不随になる人も

 関電の報告書や記者会見では、森山氏の常軌を逸した気性の荒さが明かされた。

 関電職員の意にそぐわない言動に対して「お前の家にダンプを突っ込ませる」「お前なんかいつでも首をとばせる」などと恫喝。コードネーム「M」として恐れられ、職員の中にはうつ病や半身不随となった人もいたようだ。

 こういった森山氏の人格から「関電職員は差し出される金品を断ることが困難であった」と報告書には記載されている。森山氏への対応は前任者からの引継ぎはあるものの、個人の判断に任されていた部分もあった。

 会社レベルでの判断がない中で、返却、費消、手元に残っていたものなどに分かれたようだ。

「Yahoo!ファイナンス」によると関西電力の平均年収は791万円で、役員クラスともなると平均を大きく上回る。なお、従業員数は1万8627人(単独)、平均年齢は43.2歳。

口コミからも見えてくる金品授受の闇

 まだ解明されていないことが多い今回の金品授受問題。働いている人の環境からも問題のヒントが見えてくるかもしれない。年間2000万人が訪れる企業の口コミ・給与明細サイト「キャリコネ」に寄せらせた口コミから紹介したい。

 最初に紹介する口コミからは、今回の問題に通ずる組織の体制を伺うことができる。
 
「組織がとにかく大きいため、強烈なトップダウンで仕事が進行する。基本的には割り当てられた仕事をそつなくこなすことが求められ、枠からはみ出すような考えや意見を述べるものはあまりいい顔をされない。社内政治力を持つ人間のイエスマンが昇進する」(土木設計/20代後半男性/正社員/年収450万円/新卒入社/3年~10年未満/投稿時に在職/2019年度に関する口コミ)

 今回の金品授受も担当する職員が変わっても長年続けられてきたとされている。口コミの内容通りだとすれば、途中から対応の方針を変えることは確かに難しかったかもしれない。

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