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「変態」な部分は誰にでもある…玉城ティナが語る、演技と学生時代

「別冊少年マガジン」にて2009年から2014年まで連載され、思春期のダークな面をえぐり出した作品として熱狂的な人気を誇る押見修造の『惡の華』。TVアニメ化、舞台化と経て、本作が待望の実写映画として完成しました。

惡の華

(C)押見修造/講談社 (C)2019映画「惡の華」製作委員会

 ある地方都市で閉塞感を抱いていた主人公の春日高男と、クラスの問題児である仲村佐和との主従関係が中心に描かれている物語。

 本作で、圧倒的な存在感を見せているのは、注目の若手女優・玉城ティナさん(21)です。独特な言葉遣いと異質な行動を繰り返す仲村を見事に演じきっていますが、今回は役を通して共感した思いや仕事に対する向き合い方について語ってもらいました。

不安もプレッシャーも意外となかった

玉城ティナ

玉城ティナさん

――もともと原作のファンだったということですが、最初に読まれたのはいつ頃ですか?

玉城ティナ(以下、玉城):中学生か高校生くらいのときに、表紙のインパクトとキャッチーさに惹かれて手に取ったのがきっかけです。実際に読んでみると、描かれていることはすごくピュアだし、ちょうどキャラクターと同世代だったこともあり、共感するところが多い作品だという印象を受けました。

――そのときはまさかご自分が仲村を演じるとは思っていなかったと思いますが、オファーがきたときのお気持ちは?

玉城:『惡の華』に出るなら、仲村役をやりたいと前から思っていたので、不安やプレッシャーをあまり感じることもなく、意外とすんなりと受け入れることができました。ただ、彼女の存在感やキャラクターに負けないようにしようということと、生きている人間が演じる意味をどういう風に表現するかということは意識しました。

――かなり強烈な役どころでしたが、どのようなアプローチで役作りをしましたか?

玉城:仲村は人気がありますし、キャラクターとしても完全に確立されているので、まずはビジュアルを似せること。そのために、髪の色を少し赤っぽく染めたり、髪のカットを変えたりして近づけるように努力しました。あと、内面的な部分では、彼女にとっての“普通”を忘れないようにするだけでなく、トリッキーにならないようにするというのは、自分なりに気を付けたつもりです。

ぶら下がっているパンツで明るい気持ちに

惡の華

――その甲斐あって、仲村を完璧に再現されていたと思いますが、劇中では衝撃的なシーンも数多くありました。なかでも、忘れられないシーンがあれば教えてください。

玉城:撮影が何日か続いて、私も春日役の伊藤(健太郎)さんも少しずつ疲れが溜まっていたことがありましたが、そんなときに秘密基地のなかにパンツがたくさんぶら下がっているのを見たら、ものすごく明るい気持ちになりましたね(笑)。その空間にいると、異様な気持ちになるんですけど、そこで『惡の華』の世界観や押見先生のフェチの部分が再確認できました。

 物語としても、そのシーンを境に2人の新たな主従関係が始まる瞬間でもあるので、そういう意味でも私にとっては思い入れのあるシーンです。

――精神的もしくは肉体的につらいと感じることはなかったですか?

玉城:どういう風に表現しようかと悩むことはたくさんありましたけど、精神的に追いつめられることはなかったです。ただ、仲村が泣くシーンでは、自分が学生時代に感じていた思いのなかでも蓋を閉めていた部分を開ける作業から始めて、そこから自分の感情を引きずり出さないといけなかったので、ものすごく時間がかかってしまいました。

 肉体的な意味では、寒い時期に夏のシーンを撮影したので、櫓で水をかぶるシーンでは、体の震えを止めるのが大変でした。撮影が始まると自然と止まるんですけど、カットがかかるとまた震えだしちゃうのできつかったです。