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ローカル私鉄ならではの事情も…110周年、熊本電鉄の現役・引退車両

くまモンラッピングが人気の「6000形」

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「くまモンのラッピング電車」1号車

 都営三田線で活躍した6000形が、1995年度から2001年度まで5編成を導入。引き続き「6000形」として運行している。中小私鉄では珍しい20メートル4ドア車で、ホーム有効長の関係から菊池線上熊本―北熊本間には入線できない。こちらも架線電圧が異なり、降圧化改造を受けた。

 2014年3月14日から6221ef-6228A編成を「くまモンのラッピング電車」1号車として運行を開始。御代志方先頭車(6221ef)の台車をefWINGに履き替えたことをPRするため、くまモンのラッピングを施したのだ。

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「くまモンのラッピング電車」1号車、6221efの車内

 くまモンは台湾でも人気を博しており、熊本電鉄の営業努力の甲斐あって台湾人観光客が増加した。

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6211A-6218A編成は、創業110周年記念ヘッドマークが貼付されていない

 なお、2018年11月17日に6101A-6108A編成が廃車され、現在は4編成在籍。うち6211A-6218A編成は冷房の不具合により、2019年夏は予備車として北熊本車庫(北熊本駅構内に所在)に留置されている。

還暦を過ぎた「5000形」青ガエル

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昭和、平成、令和を生きる青ガエル

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青ガエルの反対側は、運転台が進行方向右側に設けられている

 ここからは熊本電鉄を引退した車両を紹介する。

 東京急行電鉄(現・東急)初代5000系青ガエルは、1970年代後半から1980年代後半にかけて、中小私鉄への譲渡が相次いだ。熊本電鉄も1981、1985年に導入され、主力車両として活躍していた。6000形導入後は菊池線上熊本―北熊本間に限定運行されている。

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5000形青ガエルの運転台

 老朽化が進んでいても走り続けていたが、01形の導入完了により、2016年2月14日に引退。最後まで残った5101Aは動態保存兼入換車として残すことになった。

 しかし、引退後も車両の老朽化がさらに進み、特に車体の傷みが目立っていた。熊本電鉄の応援団体、鐡道創研が再塗装を目的としたクラウドファンティングを2017年10月13日から11月29日まで実施したところ、504人から計255万3161円が寄せられ、目標額をクリアした。

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車内は引退時のまま

 2017年12月より株式会社ワンマイルの協力により、再塗装作業が開始され、2018年2月17日に完了。現在も北熊本車庫で常に展示されている状態のほか、有料の運転体験会などのイベントも行なわれている。

脇役に徹した「3代目200形」

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3代目200形の引退により、長年続いた“くまでんカラー”も見納めに

 都営三田線6000形の廃車が進まない影響で、熊本電鉄は車両更新ができない不運に見舞われた。そこで急遽、南海電気鉄道22000系2両の導入を決め、降圧化のほか、先頭車前面の“整形”、乗降用ドアを1か所増設し、3ドア車化改造などを行ない、1998年12月25日、3代目200形として営業運転を開始した。

 6000形と異なり、全線の運行が可能なので、菊池線上熊本―北熊本間にとっては、初の冷房車となり、夏季の快適性が大幅に向上された。

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200形引退記念ヘッドマーク(提供:熊本電気鉄道)

 晩年は予備車として、北熊本車庫で過ごす日が多く、2019年7月30日に引退。現役車両は東京の元地下鉄車両に統一された。引退後は車庫に留置され、解体待ちだという。熊本電鉄としては10月26日開催予定の「電車まつり」を“最後の花道”にしたい構想がある。