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滝沢秀明が受けついだ“ジャニー喜多川流”、演出では独自色も

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時代によって変わる部分、普遍的な部分

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※画像はイメージです

 恩師の姿勢を間近で感じていた滝沢氏も、年齢や立場を誇るのではなく、純粋にタレントの良さを引き出すことだけを考えているのだ。彼はこうも話している。

〈その時代、その時代によって、仕事のやり方も流行も変わっていきます。僕が何か伝えたところで、それはやっぱり過去のものですから。一方で、この仕事に向きあうときの姿勢や礼儀、情熱や常識などは、いつの時代も変わりません。そういうところだけきちんと持っていれば、あとは自分でつかみに行ってほしいと思う。自分から挑戦していくことが大切だと思いますね〉(AERA・2017年6月19日号)

 時代によって変わる部分には柔軟に対応し、普遍的な礼儀や仕事に向かう情熱は絶やさずに持てばいい。滝沢氏の考え方は、万人に参考になる。

 今回の舞台『少年たち』では、現状を鑑みてステージ内容を大幅に変更するという“ジャニーイズム”を受け継ぎながらも、ジャニー氏の肉声を使用する“滝沢色”も加えた。今後、滝沢氏はジャニー氏の考え方を継承しながら、時代に合わせた自分なりのアレンジを加えることで、ジャニーズ事務所の新たな歴史を作っていくだろう。

<TEXT/岡野誠>

ライター・芸能研究家。本人へのインタビューや関係者への取材、膨大な資料で構成する著書『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記1979-2018』(青弓社)は3刷に。ジャニー氏と田原がレコーディング時に歌詞について意見を戦わせた逸話も綴っている

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