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普通の20代会社員が「1200万円のランボルギーニ」を一括購入できたワケ

暮らし

維持費は年間約150万。それでも「高くない」

 現金一括購入とはいえ、人生で初めての大きな買い物に不安はなかったのでしょうか。

「ランボルギーニの維持費は、年間150万円程です。十分賄える範囲なので不安はなかったですね。それに、中古車でも価格がほとんど落ちないので、仮に1200万円で購入しても、1000万円程度で売ることができます。差し引き200万~300万円のコストでランボルギーニを持つ経験ができるなら、高くはないと思います」

 購入資金が貯まった頃「とりあえず車を見に行くつもり」でディーラーを数軒回ったところ、その日のうちに購入することになったそう。

「何軒目かで条件に合う車があったので、希望価格を伝えてその場で契約しました。達成感よりも、1000万円以上を一括で振り込んだので、もし車が届かなかったらどうしよう……と不安になりました(笑)」

 契約後は、事前に調べていた機械式の地下駐車場(月6万5000円)を契約。2週間後、ついにランボルギーニが納車されました。

「初めてエンジンをかけたときの感動は、今でも忘れられないですね。エンジン音がすごくて、もう最高!って感じでした」

ランボルギーニは、あおられない?

ランボルギーニ

愛車のハンドルを握る中村さん

 現在は、休日に恋人や友人とのドライブをメインにスーパーカーライフを楽しんでいる中村さん。

「今も運転しているときの楽しさは変わらないですね。購入する前は3年経ったら売ろうと思っていたのですが、まだ手放す時期は考えていません」

 一方で、デメリットについてはこう話します。

「少ないですが、行けない場所があることくらいですね。事前に駐車場を確認しておかないと、左ハンドル用の駐車場がなかったり、車高が低いので急勾配ではこすってしまうことがあります」

 若くして高級車を走らせていると、最近話題の「あおり運転」の標的になったりはしないのでしょうか。

「そもそも、交通ルールを正しく理解して走行していれば、あおられることは少ないはずです。道路交通法の第二十七条では『他の車両に追いつかれた車両の義務』が規定されていますが、これを守らない人が多いのではないでしょうか。ただ、ランボルギーニの場合は逆に周りの車が避けて走ってくれますね。こういう車にぶつけると修理代が高いからだと思います。そういう意味では、万が一、故障したら補償できないということで、ガソリンスタンドで洗車を断られることがあります。僕はランボルギーニを扱ってくれる専門の業者に洗車を頼んでいます」

 ランボルギーニのオーナーはほとんどが医者や社長などのリッチな人々ですが、中村さんはその中で人脈を作ることにはあまり積極的ではなく「ランボルギーニを持って、運転することが純粋に楽しい」といいます。

「僕が体感している日常やエンジン音など、ランボルギーニの魅力をTwitter(@Lamborghini_TYO)や『ランボルギーニ 東京』というYouTubeチャンネルで発信しています。もっと車好きな人が増えてくれればいいなと思って。そうなればランボルギーニの価格も上がりますし(笑)」

チリも積もれば“ランボルギーニ”となる

 最後に20代社会人に向けたメッセージを聞くと、「20代でも欲しい車があるなら買ったほうがいい」と中村さん。

「都内なら、こだわりが無ければカーシェアやレンタカーのほうが安いと思います。でも、“愛車”というように、所有して、愛着を感じるものができるというのは素晴らしい経験だと思います。僕はSNSなどで『チリも積もればランボルギーニ』とよく言っているんですが、サラリーマンは給料が大きく上がったりしないので、小さなことの積み重ねで資金を貯めるしかありません。年収500万円あればランボルギーニは余裕で買えると思いますね。300万円くらいでも、年数は掛かりますが、工夫次第で可能だと思います」

 小さな無駄を省くことで、ランボルギーニを持つという貴重な経験を手に入れた中村さん。毎日なんとなく使っているお金を見直して、本当にやってみたいことを探してみるといいかもしれません。

⇒次回、<電子マネーをフル活用、20代で1200万円の外車を買った男>に続く。

<取材・文/都田ミツコ>

編集者・ライター・エッセイスト。日課は今朝計った体重を妹にラインで送りつけること。

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