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ヘッドハンターが教える「“キャリア向上”のためのSNS活用法」

学び

アピールするべきは、自らの「専門性」と「実績」

 ここまでに説明した注意点を踏まえつつ、キャリアの観点から有効な発信をするには、どうしたら良いのでしょうか? それは、「自らの専門分野や実績をアピールする」ということ。私が経験した事例を挙げます。

 過去に、IT業界のクライアントから「感度の高いエンジニアを採用したい」との依頼を受けたことがありました。IT業界は求められる知識の移り変わりが激しく、新たなプログラム言語や人工知能などの新技術にキャッチアップできる人材が求められていたのです。

 しかし、同じエンジニアであってもいろいろな人がいますから、その知識レベルを把握するのは難しい。そこで頼りにしたのが「インターネット上の発信」でした。継続してITに関わるトピックを発信している人であれば、最先端のIT技術にも精通していると考えたからです。結果的にこの方法は正解でした。

 このときに私が参考にしたのは、「GitHub」という、ITエンジニアがよく使うサービスです。このように、自分が専門とするジャンルの人が使うSNSやWEBサービスを選んで発信をしておくと、仕事の依頼や転職のお誘いなどがくる可能性は高まります。

github

GitHub ソフトウェア開発のプラットフォーム
https://github.com/

 また、自らの「実績」をアピールする場としてもSNSは有効です。もちろん、SNSの使い方は自由ですから、趣味など日常的な投稿でも問題ありませんが、ことキャリアに活かすという意味であれば、自分の実績をアピールしておくことが大事。

 このときにアピールすべきは、できるだけ“客観的な”実績です。「僕は●●ができます!」という投稿だと流されてしまうかもしれませんが、たとえば社長賞やグッドデザイン賞など、客観的で価値ある実績をアピールすると、注目は集まります

 仲間内からは「自慢してる」と思われるかもしれませんが、ウソをついているわけではないのですから、堂々とアピールすれば良いのではないでしょうか。

採用担当者はSNSの投稿をチェックしている

 
オフィス ビジネスマン

 将来転職することを考えている人は、とくにSNSによる発信内容には気を配っていただきたいと思います。現在は採用担当者の20%弱程度が入社希望者のSNSの投稿内容をチェックしているとされ、この割合はこれからも高まっていくと予測されるからです。

 ただし、あまりに警戒しすぎてSNSをまったく利用しないというのもおススメはできません。SNSの利点は、連絡先を交換していない人であっても簡単に連絡しあえる点にもあり、キャリアに関連する良い情報などをもらえる可能性が高くなるからです。

 また、人見知りの人であれば、異業種交流会などで名刺交換をしても、互いの人間性を理解し合うのに時間がかかりがちですが、SNSの投稿内容を見ることによって理解が早まるという意味もあります。

 自らのキャリアを高めるためにもSNSは使えるツールですから、節度を持ちつつ、積極的に利用すると良いでしょう。

<TEXT/高本尊通 構成/小林義祟>

1972年3月7日生まれ。大学卒業後、パソナに入社。大手特別法人営業グループ責任者を経て、企画、アライアンス、業務改革担当として活躍後、2004年、株式会社プロフェッショナルバンク設立に参画。これまで約7000人あまりのキャリアに携わり、特に30代、40代の転職市場の現場に長く携わってきた。2012年にビズリーチ社の「日本ヘッドハンター大賞」、同年から2年連続で「リクナビNEXT AWARDMVA」を受賞するなどし、16年にはビズリーチ社によるヘッドハンターランキングで約1500人中第1位を獲得している

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