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東大、早慶、ICU…高学歴学生も多い、異色の「就活合宿」ルポ

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 既存の就活システムに違和感を持ち、就活をやめた若者のための就職サービス「就活アウトロー採用」。

 前回の記事では、その説明会に参加し、その理念と実態を取材しましたが、今回は、説明会で参加することを決めた人たちが集まる「合宿」に参加してきました。運営側が「参加は必須」とまで強調する、就活アウトロー採用の合宿。果たして何が行われ、どのような出会いがあるのでしょうか?

 6月20日、期待と不安が入り交じるなか、合宿会場である東京都渋谷区・国立オリンピック記念青少年総合センターにやってきました。

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ワークショップを行う、総合センターの一室。合宿は1泊2日で20日の昼過ぎに集合し、21日の昼頃に解散。滞在時間自体は丸一日ほどでした

 合宿の参加者はおよそ70人。メディアなどで話題になっていることもあってか、参加人数は今まででも最多の水準。前回の説明会に来ていた人のほとんどが合宿にも参加しており、就活アウトロー採用の理念が共感を呼んだことが窺えます。

「自分についてひたすらしゃべる」

 ワークショップが始まるなり、配られた一枚の紙には81の空欄のマスが書かれていました。これは「マンダラート」という発想法の一種で、大谷翔平選手も活用していた有名なものです。

 これに自分を構成する要素を書いていき、それをもとに4、5人のグループを組んで自己紹介を行うことを何度も繰り返すのが最初の「ワーク(作業)」です。これにより、相互理解と自分への理解も深めていくそうです。

 このワークで、他の参加者と共通の趣味を見つけたり、参加者の個性に惹かれたりして参加者同士の親交が生まれます。自分の好きなものについて、マニアックに話す人が多かったのですが、音楽や文学などの話題で盛り上がるなど、全体的に文化的な感じに思えました。

 また、好きなものについて語るときのみなさんが、やたら熱量が高く、このあたりも就活アウトロー採用ならではという印象でした。

好きな感情をテーマに選んで図化

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就活アウトロー採用で行われるワークは「ひたすらしゃべる」こと。「こんなにずっとしゃべったのは今年初めてだ」と冗談交じりに語る参加者も

 みなさんがしゃべり疲れて来たところで、夕食を摂るための休憩が入り、次のワークがはじまります。2番目のワークは「人生グラフ」です。何かひとつ、好きな感情をテーマに選んで、その感情の上下を年齢ごとに図化します。それを見せ合い、4、5人で話し合います。

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図化した感情を参加者4、5人で話し合います

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感情のグラフはこんな感じで図化される

「嬉しさ」「楽しさ」などのベタなテーマが多い一方、「おちつき」「自信」などの意外な感情をテーマに選ぶ人もいました。このワークでは、いじめを受けた経験を告白する人、家庭環境の悩みを吐露する人など、自分の人生を自己開示する場になっていました。

 初対面同士だからこそ、ネガティブな話も気兼ねなく打ち明けられそうです。

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