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「大学中退して“男娼”になった」22歳、就活アウトローの本音

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 既存の就活システムに違和感を持ち、就活をやめた若者のための就職サービス「就活アウトロー採用」。

 前回の記事では、6月20日に東京都渋谷区・国立オリンピック記念青少年総合センターで行われた1泊2日の「合宿」に参加した模様を報告しました。合宿内容は、「ひたすらしゃべる」「人生グラフ」「自らへの弔辞を書く」などこちらの予想を良い意味で、裏切るものでした。

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就活アウトロー採用で行われるワークの模様

飲み会ではプライベートな話をする人も

 また、さまざまな「ワーク(作業)」を通じて見えてきた参加者たちの素顔も、意外と高学歴だったり、「親に勧められて来た」という人がいたり。あるいは「どんな人が来ているのか気になった」「何か将来に繋がる人脈得られるかと思った」などの参加理由もありました。

 今回は、その夜に行われた飲み会での一幕を報告します。

 同世代で、同じような悩みを持った若者が集結しての合宿。その日の夜、参加者が部屋に戻ってからは、自然と部屋同士を行き来しての飲み会が始まりました。事前に「コンビニでお酒が買えます」と、アナウンスもされており、飲み会の開催は歓迎といった雰囲気でした。

 交流がはじまると、多くの人がワークショップの中で知り合った参加者の中から興味を惹かれた人に話しかけていきます。飲み会になると、ワークショップでは話さなかったプライベートな話をする人も多く、参加者のバックグラウンドを深く知ることができました。

研究、芸能、人材支援…将来に悩む早大生

 同じ部屋だった早稲田大学大学院スポーツ科学研究科の1年生、諸留卓さん(24歳)。もともと体操に熱中していたが、怪我を理由に引退。その後は子どもに体操を教えたり、審判を務めたりしたのち、現在は大学院で体操選手の怪我の予防の研究をしているそうです

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活動的な人には何度も出会いましたが、諸留さんのように、ひたすらひとつのことを突き詰める人より、軸を持った上で色々なことに手を出して活動している人が多かった

「就活アウトロー採用に来たのは内定自体がほしかったというよりも、面白い人に出会うことと、進路を決める参考にするために来ました。僕は研究を行う一方で、芸能活動も考えています。芸能事務所の面接にも30社ほど行きました。

 今年の『M-1グランプリ』や『SASUKE』にもエントリーする予定で、秋には映画の撮影も控えています。さらにキャリア支援・教育にも興味があって、研究の道にそのまま進むか、芸能の道か、人材支援の道か、それとも別の道に進むべきか考える機会にしたいと思って、参加しました」

 就活アウトロー採用に参加する人は、さまざまな分野で精力的に活動している「ポジティブアウトロー」と、どうしたらいいか分からず立ち止まってしまっている「もやもやアウトロー」に分かれるそうです。

 諸留さんは、まさに前者の一人といったところです。プログラム中も多くの人に話しかけ、積極的に就活アウトロー採用の経験を有意義なものにしようとしていました。

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