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元ヤン社長が、ディズニーランドで学んだ「5つの教え」

学び

教え④「全力で楽しむって、自分で決めること」

――8年間ディズニーで働いて、お客様とのやり取りの中で学んだことは?

香取:それは、絶対に楽しむ!って自分で決めること。例えばディズニーランドのゲストって、雨の日は濡れながらアトラクションに並ばなければならないのに、「雨だから空いてて良かったね!」と喜んでくれるんです。これって他の場所ならありえないでしょ? ゲストはディズニーランドに行くって決めた瞬間から、その日は全力で楽しもうって決めているんです。

 これは、仕事も同じ。どんな仕事も創意工夫を凝らしたら、自分なりの楽しみ方がいくらでもあるはず。楽しみは自分で作り出せるんです。

教え⑤「お金で大事なのは、入り口じゃない」

香取貴信

ディズニーランドに招待した子どもたちから香取さんのもとに届いた寄せ書き

香取:それから、お金に関しても若い頃は“入り口=いくらもらえるか”しか見ず、“出口=使い道”なんて考えたことはありませんでした。でも、「稼いだお金の使い道がお前の器を決めるんだ」と、他人のためにお金を使う意義を教えてもらったんです。

 そのおかげで、『ディズニーランドであった心温まる物語』というチャリティー本も出版することができました。印税はすべて、東日本大震災で家族を亡くした子どもたちをディズニーランドに招待する費用に充てています。ディズニーランドにいる一瞬だけでも、楽しいと思える瞬間、幸せと味わえる瞬間、前を向くきかっけになってもらったらいいと思います。

 これまでイベントとして2回、総勢100人超の岩手・福島の子どもたちを招待できました。また岩手県の大迫町の全中学校の修学旅行で、もう4年ほど使ってもらっています。こんなふうに思えるのも、ディズニーがお金の使い方を教えてくれたからです。

<取材・文/阿形美子>

1994年生。大学卒業後、フリーの編集・ライターとして活動中。底抜けの飲んべえゆえ酒ネタが多いが、インタビューやモノ記事、カルチャーネタなどもカバーする。Twitter:@agata_yoshiko

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