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京浜急行、2代目800形ラストランで感涙体験。鉄ちゃん芸人のサプライズも

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 京浜急行電鉄(以下、京急)では6月16日、2代目800形が、特別貸切列車〈ありがとう800形〉久里浜工場行きをもって事実上、最後の営業運転となった。

京浜鉄道

令和初の引退車両となった2代目800形

 同車両は、最後の1灯式前照灯、片開き乗降用ドア、4ドア、前面非貫通構造、分散式冷房装置、扇風機、右手操作のワンハンドルマスコンとなった。

本線品川3番線は黒山の人だかり

 8時30分過ぎ、本線品川3番線は、気温以上の熱気に包まれていた。すでに特別貸切列車〈ありがとう800形〉久里浜工場行きが入線しており、黒山の人だかり。両先頭車では、2代目800形最後の雄姿を見届けるべく、多くの人々がシャッターを切りまくる。

 2代目800形は1978年12月に普通電車用の車両として登場。冒頭で述べたスペックのほか、界磁チョッパ制御、回生ブレーキが初めて採用され、京急にとっては省エネ車両の嚆矢(こうし)となる。また、車体側面は窓まわりをホワイトで囲う斬新なイデタチだったが、のちに快特用の2000形が登場すると、ホワイトは側窓下の細帯に塗装変更された。

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ダルマを模したヘッドマーク

 当時、ホーム有効長6両分以下の駅があるため、3両車が投入され、同年12月27日に金沢文庫10時48分発の普通電車浦賀行きでデビュー。翌1979年には鉄道友の会ローレル賞を初めて受賞した。その後、増結用中間車、当初から6両車で増備された編成もあり、1986年まで27編成を投入。3両車10編成、6両車17編成の布陣となった。

京急2代目800形、引退までの軌跡

 1994年から1年かけて、3両車を2編成つなぎ、3・4号車となる先頭車を中間車に改造。これにより、すべて6両車にそろえられ、27編成から22編成に減った。

 2代目800形は、普通電車のほか、快特などにも運行されていたが、車両の老朽化に加え、ホームドア(可動式ホーム柵)が2・3ドア車対応に決まったことで、2011年4月より順次廃車。代替として2002年に登場した2代目1000形が増備された。

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2代目1000形は、17年かけて2代目700形、初代1000形、2000形、2代目800形を置き換えた

 2016年には、7月29日公開の映画『シン・ゴジラ』に“出演”し、ゴジラの餌食になる。京急によると、先方の依頼により抜擢されたという。そして11月12日に823編成がリバイバルカラーとして、登場時の塗装に復元された。これが現役最後の2代目800形となり、2019年6月16日に“引退試合”を迎えたのである。

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