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その転職先、大丈夫?ブラック企業を見抜く「とっておきの質問」

学び

外資系コンサルティングのアルムナイの内情

 実際、アルムナイが機能している企業は、企業と退職者に友好な関係が築けているので出戻り採用も発生します。私が在籍した外資系コンサルティング会社はどこもアルムナイがあります。アクセンチュアはアルムナイネットワークが強く、ex-acというメーリングリストとFacebookの非公開のグループがあります。

 登録には審査があり、ex-ac内の紹介者がいないと承認されません。登録者はそれぞれ約2000名。ex-acに投げかけると必ず期待以上の返事がくると有名です。毎日、数通は必ず新規の投稿が流れてきます。お互い尊重し、無償でコラボしています。お互いの活動がいい意味で刺激になっています。

 アルムナイがある企業は、1社で2度、美味しいのです。1つは企業と社員・退職者が良好な関係なのかを判断するリトマス試験紙になります。もう1つは退職者もあなたのネットワークになるので選択肢や可能性が爆発的に増えます。

面接で「アルムナイありますか?」と聞いてみよう

松本利明

松本利明『「いつでも転職できる」を武器にする』(KADOKAWA)

 出会いより別れがキレイなのかが、大事です。ブラック企業でも採用時は、良いことしか言いません。見極めるなら直球で「アルムナイはありますか?」と聞くのが一番です。

 結論はすぐわかります。「なぜ、アルムナイの有無を聞くの?」と不審に思われたら、こう返しましょう。「単に、今の会社にアルムナイがあるので」もしくは「今の会社でアルムナイを立ち上げる話があるので、聞いてみただけです」と言えば、相手は素直に答えざるを得なくなるので大丈夫です。

 人気企業ランキングに常連で入る企業でもアルムナイがない会社があります。「5ちゃんねる」を見なくても、「儲からない業界なので給料が安い」「労働時間も長く休日出勤も多い」「生産性も低く、中途半端に年を重ね、他に転職できない上司・先輩ばかりで成長できない」と言った噂は自然と耳に入ってくるものです。

 ベンチャーで成長著しく優秀な人ばかりで、卒業生も活躍しているとしても、アルムナイがないということは、もうあなたは察しがつくでしょう。まだ起業間もないなどの理由でアルムナイがないケースもありますが、今のご時世、SNSなどのグループで自然とアルムナイは形成されているものです。アルムナイがあるか、ないかをどうどうと聞いてブラック企業かそうでないかを見破りましょう。

<TEXT/松本利明>

人事・戦略コンサルタント。外資系や日系の大手企業から中堅企業まで24年間、600社以上の人事や働き方改革に従事。『「稼げる男」と「稼げない男」の習慣』(明日香出版社)、『「ラクして速い」が一番すごい』(ダイヤモンド社)はベストセラー

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「いつでも転職できる」を武器にする

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