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20代で年収にこだわると失敗する。初めての転職の注意点

学び

「いくら好きでも…」やってはいけない仕事も

小瀬村

20代は自分の仕事がAIに代替される可能性に留意しよう

 20代は「本当に自分がやりたい仕事」を見つけるための期間だと割り切って、実力で勝負するのは30歳からと考えよう。しかし、注意すべき点もある。

「ただし、いくら自分が好きな仕事だといっても、それが本当に将来価値を生み出し続けられるかはきちんと考えたほうがいいです。特に20代は、将来、その仕事がAIに代替されたり、スキル自体が必要とされなくなる可能性があったりする。その場合、自分のやりがいが充足される別の似た仕事にスライドすることをおすすめします」

 ここまでは自分のキャリアの考え方についてだが、ここからは実際に面接をする際の注意点を聞いてみる。

転職サイトよりエージェントの見極めが困難

 まずは、20代の転職でよく耳にする「ポテンシャル採用」という言葉だ。実は求職者と採用者側で認識に違いがあるという。

「求職者は、ポテンシャルとは経歴不問で見てくれるもの、いわゆる“伸びしろ”を見てくれると認識している方が多いですが、採用者側は今までの経験以外に、主に2つの点を見ています。1つがその人の人柄や価値観などのキャラクターで、2つ目がキャッチアッププラン。今までの経験でどこまでが通用して、逆に何が足りないかという現在地の認識を聞き、次の職場で不足している部分をどう補っていくかを聞かれます」

 当然、ポテンシャル採用も厳しい目で見られていて、面接で「内定をもらったら、とにかくがんばります」と情熱アピールをしても、具体性がなければムダなのだ。昨今は「AMBI」「キャリトレ」といった転職エージェント型の求人サイトもある。こういったサイトに頼るという手もあるが、実際のところどうなのだろう?

「登録自体が、たいした手間ではないので、求人サイトは自分にあったものを見つけるまで、なるべくたくさん登録するほうが良いと思います。むしろ大変なのは、サイト経由でやってくるエージェント選びのほうで、当たりのエージェントを見つけるまで時間がかかります」

「非公開求人多数」の売り文句には要注意?

ビュー

アサイン社が提供するアプリ「VIEW(ビュー)」では自分のキャリア観や、それに紐付いた採用状況を見ることができる

 当たりのエージェント、ハズレのエージェントを見分けるにはどうしたら良いのか?

「ぱっと見分ける方法だと、最初の面談でいきなり求人を渡してくるエージェントはたいていハズレですね。逆に、転職したあとの30代、40代でのキャリアについても説明してくれるエージェントは優秀です。要するに、腕の良いエージェントは、長期的視野でその人がどういうスキルを身につけたらよいかを教えてくれます」

 また、エージェント業界では「どれだけ多くの非公開求人」を持っているかが良し悪しを分けるとも聞く。しかし、これも注意が必要だ。

「我々の業界用語で“ヒキ求人”という言葉があって、応募を集めるための求人のことを指します。悪い言い方をすれば、釣りエサみたいなもので、この手の求人は人気企業や花形のポジションが多いのですが、実際に申し込んだら、すでに枠が埋まっていたというケースが多い。もちろん、注目に値する求人を多く持っていることは大事ですし、すべてが悪いというわけではありませんが、うますぎる話には注意したほうがいいでしょう」

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