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心の不調「四月病」とは?チェックリストに当てはまる人は要注意

学び

四月病になるとこんな症状が現れてくる

 まず、寝付けない、早く目覚めるなどの睡眠に関する不調が出てきがちです。

 特徴的なのは、翌日が心配や不安で眠れないとなるのではなく、遠足の前日のようなワクワク・ドキドキのような高揚感があり、眠れないという症状です。他にイライラ・落ち着きがなくなる、あせりなど心の症状が出現しやすいです。

 なかでも新生活における精神的な高揚感が、肉体的な疲労感に優ることの多い4月の前半頃は、こういった症状が出てくるだけで済みます。しかし、この状態が3~4週間たっても変わらないとなると、精神的な高揚感が低下し、同時に肉体的な疲労感が増加し、逆転します。その結果、朝起き上がれない、全身倦怠感、わけもなく辛いなどのさまざまな心身症状を呈するようになります。

今からできる「四月病」予防と対策

叱られる男性

 こういった状態になる前にできる四月病対策として、できることが2つあります。

 まず、誰かに相談し、気持ちがスッキリするまでお話ししてストレス発散することです。新しい環境での友人よりも、大学や前職の同僚など3月までの旧友との関わり合いのなかで、気持ちを発散することが大切な対策になります。飲み会やお茶などを通じて、定期的に関わることを意識してみましょう。

 次に、自分自身にかけた高すぎる期待を修正(おとす)ことができると、肩の力が抜けて、体調は戻りやすいです。もちろん、自分自身に高い期待をかけることは自己成長の上では大切です。しかし、ときにそれが身体を蝕むことがあり、心身の不調に気付いたときは、適度な休憩をとったり、目標設定を下げたり、自分にご褒美を与えたりして、自分を甘やかすことも必要です。

 四月病は上手に対処すれば、容易に予防対策可能な状態です。たとえ4月の間に対処できずとも、今年の10日間あるゴールデンウィークの間に、必ずやってみてください。そして、五月病や深刻なメンタルヘルス不調の病気になることを予防しましょう。

<TEXT/武神健之>

医学博士、産業医、一般社団法人日本ストレスチェック協会代表理事。20以上のグローバル企業で年間1000件、通算1万件以上の健康相談やストレス・メンタルヘルス相談を行っている。著書『外資系エリート1万人をみてきた産業医が教える メンタルが強い人の習慣』(PHP研究所)発売中

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