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彼氏の「殴らないデートDV」に苦しむ20代女性。「男と話すな」と怒鳴られ…

暮らし

夫とは別居して現在は実家で家族と4人暮らし

 このような状態が続き、可南子さんは去年、夫と別居し、現在は実家で両親と子供との4人で暮らしています。ですが、彼女は離婚を躊躇しています。

「子供がこれから高校、そして大学などに進学するとしたら、お金がかかりますし、1人じゃ厳しいかなと不安があります。

 それに、付き合っていた時と同じく、彼も普段は優しいし、(身体的な)暴力を振るわれたことは一度もない。今では『ツラい思いさせてごめん』とLINEも来ていて、反省しています。今後話し合っていけばいい状態になるんじゃないかな?」

 前出した「NPO法人 女性・人権支援センター ステップ」の栗原加代美さんは「DV関係の夫婦は、デキちゃった婚で結ばれた人も多い」と話します。

DV夫婦と「デキちゃった婚」の関係性は?

内閣府 男女間における暴力に関する調査(平成29年度調査)

「女性の心理として、たとえ結婚前にDVが酷くても、『子供さえできれば彼は変わる』などと思ってしまうのです。でも、子供ができたところで、加害者が考えを変えなければDVはなくなりません。結婚後は加害者特有の支配欲、妻を所有物だと思うといった考えがさらに顕著になり、DVが悪化する可能性も高いのが現状です」

 もちろん「デキちゃった婚」で結ばれたカップルでも、DV問題が起こらない家庭が多いでしょう。ですが栗原さんのいう「子供さえできれば彼は変わる」の考えは、まさに今回話を聞いた可南子さんと同じもの。暴力だけに限らず、交際段階での相手の危険な言動には注意しておくべきです。

 身体的暴力に比べれば比較的にマシに感じてしまうかもしれない「束縛、監視行為」ですが、これがやがて激しい暴力など、より悪質なものへと変わっていく可能性も大いにあります。カップルの段階で相手からそのような被害に合っている場合、一度しかるべき機関に相談するべきだと感じました。

<取材・文/ロケット梅内>

Webライターです。主に最近の若者についての記事を書いています。週のほとんどの時間をラーメン食べ歩きに費やしていますが、グルメネタは苦手ジャンルです。

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