確定申告ってどんな制度?サラリーマンでも「お得に節税」できる人も
サラリーマンでも確定申告が必要な人は?
一方、その1年間の途中(1月1日~12月31日までの間)で転職をした場合はどうでしょうか。
この場合は、退職した会社から「源泉徴収票」を受け取ることができます。それを転職先の会社に渡せば、以前の会社のデータを引き継いでもらえるので問題ありません。
ちなみに、会社で年末調整をしてもらっているサラリーマンなら、税務調査の対象になることは99%以上ないといえます。けれども、収入金額、つまり受け取っている額面が2000万円を超えるような“一部のエリート”は、年末調整の対象外になる規定が存在するので、確定申告の義務が生じます。
お金の動きをしっかりウオッチしよう
どうして、2000万円以上の給与所得があるサラリーマンには、確定申告書を提出させるのでしょうか。
年収がこのレベルに到達する人たちは、本業以外にも投資をしていたり、不動産を所有していたり、子どもに資産を贈与しているケースも多いからです。しかも、面倒なのかわかりませんが、なかには無申告の人もいたりするようです。
なので、税務署的には給与所得者であっても、しっかりと確定申告をさせてデータベース化し、「お金の動きをウオッチしよう」という考え方があると考えられています。逆に個人事業主の場合は、年収1000万円までなら、頻繁に税務調査に入られる可能性は少ないです。
まとめると、個人事業主、2か所以上から給与がある、副業で20万円以上の稼ぎがある、年収2000万円超の会社員――これらに該当する人は確定申告が必須と考えてください。
確定申告で覚えておきたい「節税対策」
では、そんな人たちが確定申告で使える「節税対策」とは一体、何でしょうか。まず手っ取り早いのが、会社から給与をもらっているサラリーマンは、所得控除をうまく活用しましょう。
最も例に挙げられるのが「医療費控除」。これは、1年間に使った医療費が10万円を超えると、その超えた金額から最高200万円まで控除する、という制度です。
しかも同一世帯であれば、合算をして控除を受けることが可能です。親や家族と同居しているという人はお得なやり方があります。例えば、1人3万円しか医療費を使っていなくても、4人家族だった場合は、3万×4人=12万円になります。医療費控除は10万円以上なので、残額の2万円を控除にあてることができるのです。
もっとわかりやすく言います。あなたの同一世帯のおばあちゃんが使う医療費が結構な金額だとしましょう。でも、おばあちゃん自身には収入がないから控除が受けられない。そういう時は「領収書」だけもらえばいいんです。その領収書を控除に充てることで、自分が納める所得税の税額を下げることができます。