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愛する人と仕事をするってどんな感じ?夫婦で出版社を営む2人に聞いてみた

ビジネス

家族とは、個人の違いや多様性を学んでいく場

atashi

――夫婦間で仕事やそれ以外のことでも意見が衝突することはありますか。

かよこ:ありますよ。だいたい言い合いになるときって、私はこういうことに怒ってるんだよって論理的に説明するんですよ。それに対してミネ君は「そこまで考えてないよ」って返してくる。

 私はライトに考えることが全然できない。根治治療しかありえないみたいな感じなんですよね。そんな2人がケンカをすると折り合いがつかないし最悪。

 でも、そのうちハッピーでラッキーなミネ君が近寄ってきて、数時間かけて仲直りする。そんな“すったもんだ”を繰り返しながら、なんとか日々を積み重ねようとすることこそが夫婦の修行だと思うんですけどね。

――『たたみかた』の第2号は「男らしさ女らしさ」がテーマでした。「男/女」の対立構造を根源的に問うような内容でしたね。

かよこ:『たたみかた』に出てくれた禅僧の藤田一照さんも仰ってたんですけど、夫婦ってまったくの他者なんですよね。夫婦は“すったもんだ”しながらお互いの違いを学んでいく場にできる、と。

 家族をもう少し引いてみると、「男と女」「子どもと大人」「老人と赤ちゃん」など、実は多様性がある。その中で異なる価値観を押し付け合ったり、それを壊そうとしたり……そんな“すったもんだ”があるわけです。家族というフィールドで自分と他者の圧倒的な違いを学ぶことができる。

「Idon’t know(わからない)」としか言えない

――お互いに学ぶべきところってどんなところだったりしますか。

シンゴ:かよこは仕事も人付き合いも真摯なんですよ。相手のダメなところがあればハッキリ伝える。そういう部分は尊敬してるし、学ぶべきところだと思います。

 僕なら面倒くさい人を目の当たりにしたときに、どうやって面倒くささを回避して、丸く収めていくかを考えるけど。

 彼女は面倒くさいことに対して、何故、面倒くさいのか、問題の根源を考えようとする。それは時間がかかるストレスフルなことだけど、それだけちゃんと物事と向き合えるのは素直にすごいって思いますね。

かよこ:それで私はすごく疲れちゃうんですけどね。『たたみかた』みたいな本を作ってると、読者から重い相談メールが来たりすることも多い。「三根さんならどうしますか?」って、答えを求められることがあります。

 本来、私は「Idon’t know(わからない)」としか言えないんです。自分以外の他者のことは分かり得ない。それどころか、自分の身に降ってきたことも「Idon’t know」としか言えないことばかりです。その「Idon’t know」をどう受け入れていくかが、その人の生き様になると思ってます。『たたみかた』はそういうことを言ってるメディアなんです。