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大森南朋&貫地谷しほりが語る「苦労した下積み時代の思い出」

コラム

2人の天才が交わってスパークした

この道

――本作で描かれる白秋と山田耕筰の関係についてはどうお感じになりましたか?

大森:その時代にいた2人の天才が交わってスパークした感じです。彼らが生み出したものの素晴らしさが伝わればいいなと思い演じていました。もう少し白秋さんに長生きしてもらい、もっと一緒に作品を作り続けてほしかったです。

貫地谷:理想的ですよね。自分がやりたいことを、共にやりたい人と、ぶつかり合いながら作っていく。今って自分がやりたいことを見つけることがすごく難しい世の中だと思いますけれど、彼らの関係に、そういう希望を感じたので、ぜひ今の人に観てもらいたいと思いました。

――完成作をご覧になっていかがでしたか?

大森:1回しか拝見していないので、少し恥ずかしかったです。

貫地谷:そう! 私、隣で観ていたんですけど、大森さんがすごく照れてる感じが伝わってきました(笑)。

大森:伝わりました? 伝えてなかったはずなのに(照)。最初の話じゃないですけど、まあまあはしゃいでいる芝居をしているので、そういうのも恥ずかしかったんです。でも、作品としてはとてもよくできていました。

 白秋と山田耕筰の関係もよく描かれていますし、登場する女性たち各々の魅力もきちんと浮き上がってきます。少し殺伐とした現代と近いようなにおいも感じます。いい作品になっていると思います。

貫地谷:一芸に秀でている人というのは、こういったダメな部分もありがちですけど、みんながサポートしたくなるような魅力的な人物でもある。それってやっぱり純粋だからなんですよね。

 自分のやりたいことをやっている。そこだと思うので、ご覧になった方にも、自分の意見を持つとか、自分のやりたいことをやるといったことへの背中を押せるような作品になっていると思います。

「やり続けることでしか、答えは出ない」(大森)

貫地谷しほり

貫地谷しほりさん

――白秋の場合は時代によって思うように作品を作れない時期がありました。お二人にも自分の思うようにいかなかったり、下積みをしていた時代はありましたか?

貫地谷:大森さんにそんな時期あります?

大森:たくさんあります。

貫地谷:ええー!

――そうした時期に、どうモチベーションを保ち、奮起してきたのでしょう。

大森:とにかく売れてなくて、俳優で食べていけない時期が長かったので。

貫地谷:何歳からやられてるんですか?

大森:僕は遅いです。24~25歳とか。映画の1シーンだけとか。どうしたら売れるんだろう、俳優で食べていけるようになるのだろうと、日々飲んだくれてました。

貫地谷:あははは!

大森:飲んだくれてたのは嘘ですけど(笑)、悩んでました。

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