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日通、非正規社員も同一賃金へ。一方、正社員は年収面で不満も…

ビジネス

 2018年、国会で大きな論争となった「働き方改革関連法」。2020年4月とされた適用を前倒しするかたちで、物流大手の日本通運(以下、日通)は組織内の改革を進めている。

日本通運

日本通運のトラック photo by Mj-bird CC BY 3.0

 日通は1月8日、非正規社員の賃金を正社員の水準まで引き上げ、「同一労働同一賃金」を適用する方針を発表した。正社員と非正規社員の待遇差の解消を目的としており、適用は本年4月からを予定している。

 現在、日通では約1万3000人が非正規社員として働いており、このうち同一労働同一賃金が適用されるのは各都道府県の支店でフルタイムで働いている非正規社員数千人となる予定だ。

同一労働同一賃金とは?

 働き方改革関連法は、少子高齢化や介護や育児と仕事の両立など多様化する働き方のニーズに応えることを目指した法案で、雇用形態に関わらない公正な待遇確保が法案のひとつの柱となっている。

「同一労働同一賃金」もその内のひとつであり、大企業の場合は2020年4月、中小企業は2021年4月から適用予定となっている。昨年、厚生労働省はこの制度について、

「非正社員の基本給は、能力や経験が同じならば正社員と同じ支給を原則とする」
「正社員の待遇を引き下げて格差を解消することは望ましくない」

 などの指針をまとめた。なお導入の目的については、

「同一労働同一賃金の導入は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者) と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです」(厚生労働省)

 としているが、一橋大学経済学研究科教授・川口大司氏によると次のような課題も残されているとういう。

「何をもって不合理な待遇差とするのか、2016年末に厚生労働省からガイドライン案が発表されているものの、通勤手当の取り扱いなどわかりやすいものを除いて、様々な個別のケースをすべてあてはめられるほどには網羅的なものとはなっていない」(「日経ビジネス」2018年12月13日)