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20代の石工職人が語る伝統文化の未来「海外で石材文化を広めたい」

学び

 海外留学といえば、学生たちが行くものというのが一般的なイメージかもしれません。しかし、最近では仕事を持つ社会人が休職や退職を経て活用するケースが増えているといいます。

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石工職人の太田眞介さん(26歳)

 そんななか18~30歳を対象に、指定された特定の国で働きながら留学できるワーキングホリデー制度を選択する若者が増えています(※一部地域では対象年齢が異なります)。

 学生ならば就職活動での自己アピールのひとつとして活用する目的もありますが、そもそも日本でも仕事をこなす社会人でありながら、海外での仕事をあえて経験しようとする背景には何があるのか。経験者に話を聞きました。

きっかけは両親の作品を見ようと渡ったオーストラリアの美術展

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 今回、話を聞いたのは石工職人として活躍する太田眞介さん(26歳)です。世界的にも最高峰の品質を持つとされる“庵治石”の産地、香川県高松市牟礼町で家業の石材店「石屋TATA」をご両親と一緒に切り盛りしています。

 高校卒業後に愛知県の石材店で4年間修行したのち、家業を継ぐことになった太田さんですが、アキホタタの名義で彫刻家としても活躍するご両親と共に、2014年3月にオーストラリアのパースへ渡ったのがワーキングホリデーを決断するきっかけとなったといいます。

「芸術家としても活動していた両親の作品を見たいとパースで行われたオーストラリアの野外美術イベント『Sculpture by the sea』に足を運びました。当時は観光ビザで渡ったのですが、現地の方から『日本はステキな国。小さい国でもたくさんの人々がいて産業も発展しているし、和の文化も素晴らしい』と言われたことに感銘を受けて、自分の学んできた灯籠や、石材の文化を海外にも広めたいと思い始めたんです」

 日本国内では伝統産業が衰退しつつある現状をふまえて、ビジネスチャンスを感じ取った太田さん。

 しかし、海外に広めるためには「英語の勉強や現地とのコネクション作りが必要」だという思いから、働きながら現地に滞在できるワーキングホリデーを検討し始めたといいます。

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