M-1グランプリで話題の“8人組”主宰が語る、諦めと強み「ずっと芸人になりたかった」
「ダウ90000」を知っているだろうか。コントと演劇のボーダーを軽やかに飛び越える8人組は、結成からわずか1年半弱にしてお笑い界で話題を集め、「東京03」や「かが屋」といった実力派芸人からも支持されている。2021年の「M-1グランプリ」にはうち5人で挑戦し、準々決勝まで進出。
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今年1月に行われた演劇公演「ずっと正月」はチケットも即完。この団体はどうやって生まれたのか。主宰の蓮見翔さん(24・@Show0408S)に話を聞いた(取材は公演前に実施)。
塾講師からラーメンズを教えられて
――まず、「ダウ90000」の成り立ちから教えてください。
蓮見翔(以下、蓮見):大学時代、同級生と2人で演劇サークルを立ち上げたんです。そこでコントとか漫才もやっていて。2020年の3月に大学を卒業して、いざ活動を続けていこうと思ったら、そのもうひとりの主宰が飛んでしまって。何もできないままコロナに突入して、ただただお酒の配達のバイトだけをする日々で……。
これはちょっとやばいぞとサークルのメンバーに声をかけ、就職を考えている人には抜けてもらって、2020年の9月に組んだのがダウ90000です。
――ダウ90000はふだんはさまざまなライブに出演してコントを披露し、本公演「ずっと正月」では演劇をやっていますよね。蓮見さんがすべての作品を書いていらっしゃいますが、いつ頃からお笑いに興味を?
蓮見:小学生からお笑い好きで。『モヤモヤさまぁ~ず』(テレビ東京)から入り、TSUTAYAでさまぁ~ずさんの単独ライブを全部借りて観て。次に東京03さん、バナナマンさん、おぎやはぎさんといった東京のコント師の単独ライブDVDに移りました。その後『キングオブコント』や『M-1グランプリ』にハマって……。
単独ライブのお笑いを最初に観られたから、比較的長めのものも抵抗なく作れるのかもしれないですね。あ、あとはラーメンズさんにもめちゃくちゃ影響を受けています。僕らの世代はだいたいそうだと思うんですけど、中学のときに大学生くらいだった塾講師の先生からラーメンズを教えられるんですよ(笑)。
「楽しいな」と思ったのが大きかった
――そうやってお笑いにハマった蓮見さんが、実際に作る側にまわったきっかけは? 大学に入ってからですか?
蓮見:いえ、高校生のときに「ハイスクールマンザイ」(高校生を対象とした漫才の大会)に出たくて初めて漫才を書きました。そこで知り合った人に誘われて、月に1回高校生だけが出るライブに出たりして。あと、高2の文化祭で映画を撮ったんですよ。人のツイッターに悪口を言う、みたいな内容の。
――面白そう(笑)。
蓮見:それを学内でけっこう褒めてもらって、「楽しいな」と思ったのが大きかったですね。高3では劇と映画をやって、それを提出して推薦入試で日本大学芸術学部に入ってサークルを立ち上げた、という流れです。