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M-1グランプリで話題の“8人組”主宰が語る、諦めと強み「ずっと芸人になりたかった」

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日常と地続きのコントを

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――大きな会社で仕事をしている人たちと壁ができる。

蓮見:そうですね。僕も会議のコントとか書きたいですけど、経験がないから薄っぺらいのがバレちゃう。僕らは日常と地続きになるようなコントを作っているから、知らないことを書くとズレが出ちゃうんですよ。

 働いている友だちに会議がどんなふうか聞いてみても、本当に知りたい空気感とか、プレゼンを聞いている人たちは何を考えているのかとか、そういう話ってなかなか聞き出せない。自分が働いていたら楽だったろうなとは思うんですけど、毎朝起きて同じところに行くというのが単純にできないと思うので(笑)。

――題材としては学生とか若者たちが出てくるものが多いですが、コントや演劇の中に登場する固有名詞はけっこう上の世代のものが多くありませんか?

蓮見:単純にそういうものが好きなんです。あと、ライブは自分たちと同じ世代の人も、上の世代の人も観に来てくれていますけど、以前コントで僕ら世代のミュージシャンの名前を出したらあんまりウケなかったんですよ。

「何人登場するかわからない」強み

蓮見:そのときに、偏見かもしれませんが、お笑いを観に来る人たちって、若い人たちが上の世代のカルチャーを漁るのと、上の世代の方が若者のカルチャーを漁るのだったら、若い人たちが上を知るほうが多いのかなと思ったんです。

 じゃあ単語で迷ったときはなるべく上の世代のものを選ぼうって。僕自身上の世代のものが好きで判断ができないから、メンバーに聞いて知っているものならOKとしています。

――8人組の強みとして、コントによって全員出るときと、数人しか出ないときのバリエーションがあるのが大きいですね。「何人登場するかわからない」という状況は、ふつうの芸人さんではあり得ない。人数のバランスはどう考えていますか?

蓮見:設定を思いついて「これなら何人出せるかな」と考えます。無理やり8人にするくらいなら、5人くらいでやっちゃえばいい。最近は、全員で出るライブ用に人数を直すのがたいへんなので、8人出して不自然じゃないなら8人にしています。

 でもごまかしのきかない、地肩の強さの出る2人のコントもやっておかないとと思っています。その、逃げられない感じをちょっとずつやっておいたほうが、みんなも怠けないだろうし。

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