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売上8兆円超、中国の巨人アリババ。東京五輪スポンサーは日本進出への布石か

ビジネス

 2021年8月9日に閉会した東京オリンピック。大会のスポンサー企業といえばトヨタ自動車やアサヒビール、大手新聞各社など国内企業を思い浮かべるかもしれません。しかし、国際スポンサーを見ていくと米インテルや韓国サムスン電子など、国際色豊かであることが分かります

アリババ

画像はイメージです(以下同じ)

 

 そして、日本ではあまり耳なじみがないかもしれませんが中国のIT大手アリババグループ(以下、アリババ)もスポンサーに名を連ねています。大会に向けてクラウド基盤を提供したアリババは、中国において非常に重要な企業と言えるでしょう。

 今回はアリババの事業内容に注目しながら、東京オリンピックとの関わりがどういったものであったか解説していきます。

アリババは中国版GAFAの一角

 大手IT企業群を表す「GAFA」。Google、Amazon、Facebook、Appleの頭文字をとった単語ですが、これらの企業はIT化・スマホ普及の中で急成長し、世界に進出しました。

 しかし、中国共産党がインターネットを監視する中国では、米国資本のGAFAが進出できず、その代わり中国版「GAFA」と呼ばれる「BATH」の4社が市場を握っています。「BATH」は百度(バイドゥ)、アリババ、テンセント、ファーウェイの4社。各社をざっくり紹介すると、バイドゥは検索エンジン、アリババはネット通販、テンセントはゲーム・SNS、ファーウェイはスマホ・電子機器メーカーです。

 BATHの一角を占めるアリババは1999年に馬雲(ジャック・マー)氏が創業しました。創業の際はソフトバンクの孫正義氏が投資をしており、ソフトバンクは現在でもアリババの主要株主です。もともとBtoBの通販プラットフォームとして始まったアリババは2003年にAmazonと同様の一般向け通販サイト「淘宝網(タオバオ)」を展開し、BtoC事業にも参入。

売上高は約8兆5800億円!

タオバオ

 淘宝網の成長はめざましく、中国国内のPC・スマホの普及に伴って利用者を増やし、今では誰もが知っている通販サイトにまで成長しました。2004年にはオンライン決済のアリペイ、2009年にはアリババクラウドを始めるなど淘宝網で得た資金をもとに事業を多角化しています。おそらくアリババが当初のBtoC事業に専念していたら、ここまでの規模にはならなかったでしょう。事業内容を見る限り中国版Amazonと言えます。

 数字の面でも見ていきましょう。同社発表の決算資料によると2016/3期に1011億元(約1兆7262億円)だった売上高は2020/3期には5097億元(約8兆5800億円)を記録し、近年でも急拡大を続けています。

 2020年度において、各事業の売上に占める割合は、中国国内の通販事業が圧倒的(65%)で、東京オリンピックでも関わるクラウド事業は8%程度しかありません。ちなみに中国国内のネット通販シェアはアリババが5割、テンセントが2割と言われています。

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